巨人、原采配に応える選手たちの「全員野球」 専門家が分析する首位快走の要因とは?

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巨人・原辰徳監督【写真提供:読売巨人軍】

一時は5点ビハインドも昇格即登板の若手らが踏ん張り、主軸以外の野手も躍動

■ヤクルト 5-5 巨人(24日・神宮)

巨人は24日、神宮球場でのヤクルト戦に延長10回の末5-5で引き分けた。先発の今村信貴投手が2回途中5失点でKOされながら、それ以降は7投手が無失点リレー。打線も7回に2本塁打などで追いつき、黒星を免れた。

「巨人にとっては、勝ちに等しい引き分けだったと思います」

ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、2018年までヤクルトで2年間、バッテリコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏が、この一戦の意味を語る。確かに、序盤で5点ビハインド。早々に敗戦ムードが漂ってもおかしくない展開だった。

今村がKOされた後は、この日出場選手登録されたばかりの堀岡隼人、大江竜聖の両投手が登板。3回まで無失点でつなぐと、4回には好調の5番・大城卓三捕手の2ランで3点差に迫った。4回以降は宮國椋丞、楽天からトレードで加入した高梨雄平、高木京介、大竹寛、中川皓太の5投手が継投。勝ちがなくなった延長10回には、安定感抜群の中川をイニングまたぎで続投。野口氏は「絶対に負けないぞというチームの意思が見えました」と語った。

投手、野手とも適材適所で起用され、活躍する好循環に「全員野球で横綱野球をしている印象」

投手は2人、野手は1人だけを残して投入した総力戦を振り返り、野口氏は「原監督の用兵には定評があるところですが、起用された選手もしっかりしている印象があります」と言う。序盤にジェラルド・パーラ外野手が2回の守備中に途中交代するアクシデントがありながらも、投打ともに出てくる選手たちが役目を果たす。そこに首位を快走する所以と、選手層の厚さを感じている。

さらに、近年の巨人のイメージとは違う強さもあると分析する。「今までの巨人は、やっぱり勝負所で主軸がドカンと打って勝ったねという印象がありましたが、今は主軸以外もしっかり打っているし、点が取れている」と野口氏。この日、3番・丸佳浩外野手は同点ソロを放ったものの、2番・坂本勇人内野手は犠飛の1打点で、4番・岡本和真内野手は無安打。同点に追いついた7回は、8番・吉川尚輝内野手の本塁打をきっかけに始まり、途中出場の重信慎之介外野手が二塁打で続いて上位に回したことも大きかった。

投手、野手とも適材適所で起用され、活躍する好循環に、野口氏は「全員野球で、横綱野球をしている印象があります」と強調。負けゲームを引き分けまで持ち直せる地力は揺るぎない。2位ヤクルトとは3.5ゲーム差で首位を快走。「余程けが人が続出するなどしない限りは、急にガタガタと下り坂になることはないんじゃないでしょうか」と盤石のまま夏本番を迎えそうだ。(小西亮 / Ryo Konishi)