子どもたちにアート創作や鑑賞の機会を/青森市の女性が起業、こども園などで事業スタート

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藤こども園の「ピッコロクラブ」で講師を務める石岡さん
石岡さんのワークショップで思い思いに星空を表現する子どもたち

 アートを通じて子どもたちに創造する力を育んでもらおうと、青森市で起業した女性がいる。1児の母でもある石岡有佳子さん(35)は2019年3月末、個人事業主として「artstudio tete(アートスタジオテテ)」を開業。アートの創作・鑑賞体験の提供を事業とし、出張ワークショップなどを開催している。石岡さんは「アートで育む感性や創造性、最後までやり遂げる力は生きる力につながる。アートを新しい形の教育ビジネスにしたい」と話している。

 七夕を控えた6月26日、青森市の藤こども園で開かれた未就園児の親子向けの「ピッコロクラブ」。石岡さんが講師を務め、アクリル絵の具を付けた筆を振って黒い紙に飛ばし、蓄光塗料のスプレーを吹きかけてオリジナルの星空を描くワークショップを行った。

 参加した1~3歳の子どもたちは「もう1回!」と何度も筆を振る子もいれば、色を混ぜることに夢中になる子も。石岡さんは「完成品を作るのが目的ではなく、過程が大切。やってみたらこうなったという気付きを発見してほしい。自分で考え、新しいものを作る力は子どもに元々備わっている。その媒体がアートなんだと思う」と話す。

 同市出身の石岡さんは、中学校の美術と高校の美術・工芸の教員免許、学芸員資格を持つ。県外の特別支援学校と高校で美術の常勤講師を務めた後、県立美術館で5年間教育普及を担当してきた。「子どもたちが学校以外でもっと美術に触れられる機会を設けたい」と起業を決意した。

 現在は、藤こども園のピッコロクラブと年長組の美術指導のほか、幼児から大人向けの出張創作ワークショップや対話型の鑑賞教室、ドローンを活用したプログラミング教室などを行っている。工芸の免許を生かし、染織やオーブン粘土による陶芸、ガラスのタイルを使ったモザイクアート、織物など、子ども向けでは珍しい企画もある。

 石岡さんは「目に見えない力を養うアートを、一つのビジネスモデルとして青森に定着させたい」と目標を語った。