【新型コロナ】県内で抗体検査、全員が陰性

和歌山県は、新型コロナウイルスに感染したかどうかを確認する抗体検査を3千人の県民を対象に実施した結果、擬陽性の5人を含め、全員が陰性だったと発表しました。県は、「県内で市中感染は起きていない」としながらも県民に感染防止策の徹底を呼びかけました。

抗体は、体内に入ってくるウイルスなどに反応して血液の中で形成され、体に免疫性を与える物質で、抗体があるかどうかを調べることで、ウイルスへの感染歴の有無を確認できるとして全国各地で行われています。

和歌山県の抗体検査は、県内にある3つの医療機関で先月(6月)15日から28日にかけて治療のため採血した外来患者のうち、10歳未満から90代まで3千人の血液を使って行われました。その結果、5人が陽性と判定されましたが、陽性反応があまり強く出ていなかったため、東京大学の付属機関に、より精密な検査を依頼したところ、すべて陰性と判定されました。このため、県内で行われた3千人の県民を対象にした抗体検査は、全員、陰性となりました。

この結果について、県福祉保健部の野尻孝子(のじり・たかこ)技監は、「県内で市中感染が広がっている状況にはないことがわかった」とした上で、「感染者に対して県が行っている隔離や追跡調査などの囲い込みがうまくいっている」と分析する一方、「まだ感染していない人がたくさんいるので、今後も感染防止策を徹底してほしい」と県民に呼びかけています。

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