諫早・轟峡で崖崩れ 遊歩道土砂で埋まる 母娘死亡、1人救出

親子3人が巻き込まれた崖崩れの現場=諫早市高来町(県央消防本部提供)

 25日午後3時35分ごろ、諫早市高来町の轟峡(とどろききょう)で、近くにいた人から「崖が崩れた」と110番があった。諫早署と県央消防本部によると、崖崩れで遊歩道が土砂に埋まり、母親(40)と娘2人の計3人が巻き込まれた。母親と女児(8)が死亡し、姉(12)もけがをしているが、意識はあるという。
 諫早署などによると、県道から轟の滝に通じる遊歩道近くの崖が、高さ約10メートル、幅約20メートルにわたって崩れた。3人は、40代の父親と10代の息子を含む家族5人で長崎市から轟峡を行楽に訪れていた。遊歩道で父親と息子は先を歩いていたとみられ、2人にけがはなかった。
 崖崩れ直後、父親も「家族3人が崖崩れに巻き込まれた」と119番していた。午後5時ごろ、まず姉が救出され、その後に母親と妹が見つけ出されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。
 轟峡は諫早市の所有で、崩落した場所は市が管理し、「落石注意」の掲示板が立っていた。崖崩れを受け、県は近くの県道について、名水橋付近から楊柳(ようりゅう)の滝付近までの全長400メートルを全面通行止めとした。
 気象庁によると、諫早では25日の雨量は少なかったものの、24日には大雨警報が出されるなど、まとまった雨が降った。7月は25日までに、931.5ミリの雨を観測しており、既に7月の平年値(393.7ミリ)の約2.3倍に相当する量に上っている。


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