一時6点リードも痛恨逆転負け 裏目に出た7回の継投、鷹・工藤監督の意図どこに?

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

7回に高橋礼、嘉弥真、椎野の3投手を注ぎ込み6失点

■日本ハム 9-7 ソフトバンク(25日・PayPayドーム)

ソフトバンクは25日、本拠地PayPayドームで日本ハムと戦い、7-9で逆転負けを食らった。初回の栗原の満塁本塁打などで一時は6点のリードを奪ったが、3点リードで迎えた7回の継投が裏目に。3投手を注ぎ込んで大量6点を奪われて試合をひっくり返された。

悪夢は7回に待っていた。工藤公康監督は6回3失点だった先発の石川柊太投手を降板させ、勝利の方程式による逃げ切りを図った。だが、結果的には、この継投が逆転劇に繋がることになってしまった。

石川のあとを受けた高橋礼は先頭の横尾に右前安打を浴び、清宮に四球を与えた。「ストライクを取るのに苦労しているように見えました。四球はもったいなかったかな、と思います」と工藤監督。2死二、三塁となり、左打者の西川を迎えたところで嘉弥真にスイッチした。

「西川選手に打たれていないというのもあって、嘉弥真くんにいってもらって、アウトを取ってと思ったんですけど…」。嘉弥真が西川に安打を打たれたのは2017年に遡る。そこから3年間ノーヒット。左対左、というところだけでなく、その相性の良さも買って嘉弥真に託した。

「僕の中で一人一殺できれば」と3投手注ぎ込むもまさか6失点

だが、嘉弥真が西川に四球を与える。続く杉谷はスイッチヒッターだ。嘉弥真のまま右の杉谷と対するか、右投手を投入して左の杉谷と対峙するか、という場面で指揮官は右の椎野をマウンドへ送った。

「杉谷君がいい感じに振れていたので、左の嘉弥真君よりも右の方がいいと。フォークボールも持っていますし、縦の変化に対応するのは杉谷くんは上手くないので替えました」と指揮官は継投の意図を説明する。だが、椎野は杉谷に四球を与えて満塁に。続く近藤に中前へ2点適時打を浴びて同点とされ、さらに中田には10号3ランを浴びて勝ち越された。

「あそこが肝だったので、僕の中で一人一殺できれば、と。あそこで切って、切ってという思いの中でいかさせてもらったんですけど、結果はこういう結果なので。投手は四球出そうと思って出しているわけではないので割り切って『使っている監督が悪い』と思って、また明日と思ってやって欲しいと思います」と試合後に肩を落とした工藤監督。継投策が裏目に出て、このカードの勝ち越しを逃すことになった。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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