9回 鮮やか集中打 壱岐、18年ぶり8強入り

【3回戦、壱岐-小浜】9回表壱岐無死二、三塁、島村が右前に勝ち越しの適時打を放つ=県営ビッグNスタジアム

 わずか1時間ほどで六回を終えて0-0。息詰まる投手戦が終盤、目まぐるしく動いた。壱岐が九回に鮮やかな集中打を披露して18年ぶりに準々決勝進出。原口監督は「先制された直後に追い付けたのがよかった」とチームの頑張りをたたえた。
 七回に1点を奪われたが、直後の八回に山口凌が左前打と二盗で好機をつくると、打席には1番中上。「とにかくピッチャーを助けたかった」と粘り、7球目の直球を右に引っ張って同点打を放った。
 この流れを、しっかりと九回につなげた。先頭赤木利が初球を右前に運ぶと、村部、島村、辻村も右翼方向へ長短打。加藤仁や山内も適時打で続くなど、勢いと「一人一人の勝つんだという思い」(島村)が一挙5点の勝ち越しに結び付いた。
 3試合連続完投の高田は今大会初の球速表示で140キロ超を記録。「気持ちの入っていない甘い球を相手が見逃さなかった」と七回に初安打を許して先制されたが、9回被安打3、11奪三振と堂々の内容だった。
 夏の8強入りは、現3年生の誕生年度の2002年以来。原口監督は「ジュニア世代の指導や保護者の協力が大きい」と島を挙げての野球熱の高さを感じている。次は鹿町工-佐世保工の勝者と対戦。中上は「勝つたびに町中で声を掛けてもらえる。応援してくれている地元の人のためにも、もっと勝ち上がっていきたい」と力を込めた。

© 株式会社長崎新聞社