【インタビュー】県福祉保健部長 中田勝己氏 クラスター防止が大事

「クラスター化させないことが大事」と話す中田部長=県庁

 長崎県内の医療提供体制の構築を担う中田勝己県福祉保健部長に今後の対応方針を聞いた。

 -本県は離島が多く、医療体制が本土に比べ脆弱(ぜいじゃく)だ。
 離島は共通して医療設備と人材が限られており、それが大きな懸念。基本的には各医療圏で治療することになるが、重症化の恐れがあれば本土の病院に搬送して対応するなど地域間の協力が必要になる。

 -県内で感染がまん延し病床が逼迫(ひっぱく)した場合、他県への広域搬送の可能性は。
 基本的には県内で対応できる病床を確保しているが、万が一の場合は、他県の感染状況にもよるが、国に調整を求め他県に協力をお願いする可能性もある。

 -今後の課題は。
 社会・経済活動レベルの段階的な引き上げで、今後は徐々に交流人口が拡大する。それに伴い感染者の増加も予想される。感染者が出ても、クラスター化させないことが大事。医療体制のさらなる充実や検査体制の強化も進めている。長崎大や県医師会など関係機関と緊密に連携しながら整備に努めたい。

 -県民にメッセージを。
 感染拡大防止のため、「新しい生活様式」の実践と、業種別ガイドラインに沿った対策を引き続き徹底してほしい。医療従事者の子どもが保育所から預かりを拒否されたりするなど、根拠のない風評被害や誹謗(ひぼう)中傷が多数発生していると聞いている。感染リスクは誰にでもある。誤った情報や不確かな情報に惑わされて人権侵害につながることがないよう、正しい情報に基づいた冷静な対応と行動をお願いしたい。


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