「感染怖いが配車断りづらい」乗務員は困惑 米軍基地警戒レベル最大でもタクシー通行可能と通達

©株式会社沖縄タイムス社

[沖縄 米軍コロナ禍]

 沖縄の米軍基地内での新型コロナウイルス感染が拡大する中、基地内のレストランなどサービス部門を運営するAAFES(米陸軍・空軍エクスチェンジサービス)がベースタクシー関係者らに向け、警戒レベルが上がっても基地内の通行が可能とする通達文書を出していたことが、26日までに分かった。タクシー運転手からは「十分な情報もなく感染が怖いが、配車依頼があれば断りづらい」と困惑の声が上がっている。

 関係者によると、文書は10日に配布されたという。AAFESが関係者に送信した文書が添付されたメールには、必要なら文書をゲートの警備員に見せて通過するよう書かれていた。基地内の警戒レベル5段階のうち2番目に厳しい現行のC(チャーリー)から最も高いD(デルタ)に変更する可能性に備える、との記述もあった。

 AAFESは本紙の取材に「今回の通達はAAFESの人事部が起案した」と作成の事実を認め、「米兵や家族にとって不可欠なサービス。これまでも台風などの際に基地に不可欠な物品やサービスを提供できるよう通達が出されてきた」と説明した。

 米軍基地内に出入りするベースタクシー運転手の男性(49)は「タクシー業界が全体的に厳しい中、基地内で仕事ができるようにしてもらったのはありがたい」と話した。一方で、60代男性運転手は「200人以上の米軍関係の感染者が既に出ているにもかかわらず、警戒レベルが最高になっても出入りできるというのは人の命を何だと思っているのか」と憤った。

 別の男性運転手は「米側に配車を頼まれて断った場合は、今後の入札にも関わってくる。基地内には入りたくないが、断りづらい状況がある」と話した。(中部報道部・豊島鉄博