バーランダーが今季終了 各球団の主力投手に故障者続出

3年ぶりのワールドシリーズ制覇を目指すアストロズの激震が走った。エース右腕のジャスティン・バーランダーがMRI検査を受けた結果、右前腕を痛めていることが判明し、今季の残り試合を欠場することが濃厚となったのだ。バーランダーはTwitterで「今季の残りを欠場という報道は正確ではない」と否定したが、ダスティ・ベイカー監督は今季中の復帰が困難であることを明言。「我々全員がショックを受けているよ」と素直な心情を口にした。

昨季の「20勝&300奪三振コンビ」のうち、ゲリット・コールがヤンキースへ流出しているアストロズにとって、サイ・ヤング賞右腕のバーランダーが離脱するダメージの大きさは計り知れない。ベイカーは「数週間のシャットダウン期間を設けたあとに再検査することになる。今言えるのはそれだけだ」と語ったが、今季が60試合しかない以上、バーランダーが戦列に戻るためには素早い回復が必要となり、実現する可能性は低いと言える。トミー・ジョン手術を受けるような事態になれば、今後のキャリアにも大きな影響を与えることになるだろう。

また、レンジャーズでは今季初登板のコリー・クルーバーが1イニングを投げただけで降板。右肩の張りが原因と報じられている。クリス・ウッドワード監督はあくまでも予防措置であることを強調したが、「明日には良くなっているといいんだけど」と不安げな様子。クルーバーは最初の数球を投じたところで右肩の張りを感じ、徐々に張りが強くなっていったため、レンジャーズはクルーバーを降板させることを決断したようだ。

さらに、ブルージェイズではクローザーのケン・ジャイルズが右肘の痛みによりイニングの途中で降板。2点リードの9回裏に登板し、二死後に満塁のピンチを招いたジャイルズは、崔志萬(チェ・ジマン)に対してカウント3-0となったところでチャーリー・モントーヨ監督とトレーナーに付き添われてマウンドを降りた。普段は90マイル台後半を連発する速球がこの日は92~94マイルしか出ておらず、何らかのアクシデントが発生していたことは明白。今後は精密検査を受ける予定となっている。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響による3ヶ月以上の中断期間を挟んだあと、3週間の夏季キャンプを経て開幕を迎えた2020年シーズン。開幕前の準備期間が例年より短く、それがメジャーリーガーの身体に小さくない影響を与えていることは間違いなさそうだ。

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