宇宙Six・江田剛&山本亮太&原嘉孝共演の舞台「トムとディックとハリー」公開ゲネプロと取材会をプレーバック

宇宙Sixの江田剛、山本亮太、原嘉孝が共演する舞台「トムとディックとハリー」。東京での公演を終え、8月5日の大阪・サンケイホールブリーゼでの公演も待ち遠しい本作の開幕に先駆けて行われた、公開ゲネプロと取材会をプレーバックする。

本作は、イギリス・ロンドンを舞台に展開される、長男のトム(江田)、次兄のディック(山本)、末弟のハリー(原)の物語。待望の養子を迎えるための適正面接を控え、自宅で妻・リンダ(能條愛未)と共にソワソワするトム。そこへ、ディックがフランス土産として大量のタバコと数箱のブランデーを持ち帰ってくる。売却すれば養子を迎える資金の足しになると考えたディックだったが、法に触れる事態にトムは迷惑顔。すると、今度はハリーが訪問。彼もまたトムのためを思った行動に出たのだが、それはなんと勤め先の病院から死体を運び込んで来るというものだった。大慌てするトムは、事態を収束させようとするが…。

予想もつかない方向へと転がっていく傑作笑劇(ファルス)で、2人の弟の“優しさ”に巻き込まれるトムを演じる江田は、舞台上でこれまでに見たことがないほどのマシンガントークを披露。飛び散る汗もお構いなしに叫んで動き回る熱演に引き込まれ、彼が饒舌(じょうぜつ)にうそを並べていくたびに客席から笑い声が上がった。本当は穏やかなタイプなのに、弟たちの前ではついつい強い言葉を口にしてしまう…という姿は、江田と宇宙Sixのメンバーとの関係性にも近いようにも見える。だからこそ余計に、弟たちに翻弄(ほんろう)されるトムがいとおしく見えた。

また、山本扮(ふん)するディックは社会的ルールに関して無頓着だが、事態を冷静に見つめる力は持っている人物。騒動の行方を興味深く観察しつつ、要所要所で機転も利かせる。跳ねるように階段を駆け上っては上からこっそり兄の奮闘を見守る様子が、普段の山本の“いたずらっ子”の姿にも重なって魅力的だった。さらに、末弟のハリーを演じる原はとにかくキュート! “いいことを思い付いた!”という顔も、“あわわ…”と慌てる顔も、喜ぶ顔も、くるくると変わる表情のすべてで、舞台上に癒やしを与えていた。少し低い声で兄たちに冷静にツッコミを入れる、いつもの原とのギャップも楽しい。

コロナウイルス感染拡大防止のためのステイホーム期間を挟んだ久しぶりの舞台に「恐怖が…」「緊張していないと言えばうそになる」と語っていた原や江田。一方で、「この期間を経て宇宙Six全体がすごく仲良くなった」という山本の言葉には笑顔で賛同。舞台上でもその言葉を証明するように、驚くほど息の合ったセリフの応酬で観客を魅了していた。

最後のカーテンコールで、屈託なく柔らかに笑い合っていた3人。そして、このゲネプロ公演の観劇で、3人のことを、きっと客席の誰よりもハラハラワクワクしながら見つめていたであろう宇宙Sixのもう1人のメンバー・松本幸大。4人の絆とこれからの未来への期待感を、さらに高めてくれる舞台だ。

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