国内初 微細藻類の屋外培養成功 新上五島町

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旧北魚目中のグラウンドに整備された培養施設=新上五島町小串郷(町提供)

 長崎県の新上五島町は27日、コンブやワカメに含まれる色素の一種「フコキサンチン」を有する微細藻類について、屋外での大量培養と生産技術の開発に成功したと発表した。町などによると、海産性の微細藻類の培養は技術的に難しく、屋外での大量培養は国内初という。閉校した町立北魚目中の校舎やグラウンドを活用し、本年度中に生産施設全体が完成する予定。

 町によると、微細藻類は健康食品や化粧品に使われ、フコキサンチンは糖尿病や美白、しわ防止などに効能があるという。新産業や雇用の創出が目的で、国の交付金を活用し総事業費は約4億9600万円の見込み。地元の企業代表者らによって設立した会社「ブルーサイエンティフィック新上五島」(同町)に、施設整備コンサルタント業務を委託している。東京大や県立大などと、微細藻類商品化に向けて連携していく方針という。
 同日、県庁で町関係者が会見。同社最高技術責任者の長尾宣夫氏によると、2018年3月に閉校した同校を研究、製造の場に活用。これまでガラスやプラスチックだった培養器を安価なビニール製にすることでコストを減らし、規模拡大を図る。1400平方メートルの培養プールで年間3トンの生産が目標という。24年度までに原料販売額約1億4千万円、26年度までに36人の雇用を目指す。
 同町の江上悦生町長は「産学官で連携し、若い人が希望を持てる産業に育てたい」、長尾氏は「抽出コストを将来的には10分の1程度まで削減することを目指したい」と語った。