青井阿蘇神社に支援物資 SNSで呼び掛け、全国から続々

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青井阿蘇神社拝殿入り口に並ぶ支援物資。左は福川義文宮司=27日、人吉市

 熊本県人吉市上青井町の国宝・青井阿蘇神社が、県南部を襲った豪雨の被災者支援の拠点となっている。拝殿入り口には全国から集まった大量の支援物資が並び、境内では炊き出しも実施されている。

 4日の豪雨で、境内は高さ約1・5メートルまで濁流が押し寄せ、拝殿は床上浸水した。翌日、宮司の福川義文さん(56)が同神社のSNS(会員制交流サイト)で支援を呼び掛けると、全国の人たちから飲料水やタオルなどが届き始めた。

 福川さんは、日々変化する被災者の要望もSNSできめ細かく発信。届いた物資を箇条書きにし、残り少なくなった品目も分かるようにした。「ここ数日は清掃の道具のほかに蚊取り線香、殺虫剤、日焼け止めなどの需要が高い。呼び掛けに応じて、ペットフードが届いたこともある」と感謝する。

 27日午前、軽トラックにごみ袋を積んでやって来たのは、益城町の会社員宮永和典さん(69)。「熊本地震で地元の神社が倒壊した後、青井阿蘇神社から神殿の寄贈を受けた。その恩返しです」。支援物資を届けたのは3回目という。

 神社には、連日多くの被災者が訪れる。近くで印刷所を経営する町田ナナ子さん(41)は、清掃用の長ズボンを探しに来た。「被災後すぐに土のう袋とブルーシートを手に入れることができた。たくさん物資があって助かります」

 ボランティアが多く集まる週末は、熊本市のボランティア団体が境内でカレーなどを振る舞い、ボランティアと被災者が交流する場にもなる。

 福川宮司は「この神社を『人吉の命』とまで言ってくれる人たちの声が励み。支援物資を減らして拝殿をきれいにし、8月からは通常のお参りも始めたい」と前を向いている。(谷川剛)