第1弾は「被爆瓦」 長崎原爆資料館 展示資料を動画で解説

熱線で表面が溶けて泡立った「被爆瓦」を紹介する動画の一場面

 長崎原爆資料館(長崎市平野町)が、館内の展示資料を学芸員が紹介する動画を初めて作成し、ホームページ(HP)などで公開している。第1弾は熱線で表面が溶けて泡立った「被爆瓦」で、今後も同様に被爆資料を動画で紹介していく。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、自宅にいながらでも被爆の実相を学べる手段がないかと考案。市被爆継承課の職員が撮影、編集した。
 被爆瓦については、1949年に発足した原爆資料保存委員会が爆心地などで被災した800点超を収集。館内にはその一部を展示している。約3分半の動画で奥野正太郎学芸員は「(資料を収集した人たちは)原爆を体験したことがない人に、悲惨な原爆の惨状を伝えようとしていた」と解説している。
 同委員会は、被爆瓦を含め、熱線などで曲がったやかんなど、約千点の被爆資料を同館に寄贈。館が所蔵する資料の約1割を占める。奥野学芸員は「原爆資料保存委員会の思いは、長崎原爆資料館の礎にもなっている」と話した。同館は8月13日に次回動画を配信する予定。

© 株式会社長崎新聞社