有害コンテンツを完全ブロック! 子どもが安全にiPhoneを使う方法

今回は最終回として、危険なコンテンツへのアクセスをブロックしてくれるiPhoneのWebフィルタリング機能、「コンテンツ制限」について説明します。

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iPhoneのWebフィルタリング機能「コンテンツ制限」

本連載の最終回に説明するのは、iPhoneのWebフィルタリング機能である「コンテンツ制限」です。

Webフィルタリング機能とは、パソコンやスマートフォンからインターネットを利用する際に、暴力やポルノ、違法薬物といった有害情報へのアクセスを自動でブロックしてくれる機能です。Webフィルタリング機能は専用アプリなどでも実現可能ですが、iPhoneにはOSである「iOS」自体にWebフィルタリング機能が備わっており、それが「コンテンツ制限」です。

《Check!》
以下で説明する内容は、2020年7月現在最新の「iOS 13.6」を元にしています。バージョンアップによって、設定方法や設定画面が変更される可能性があります。

「コンテンツとプライバシーの制限」機能を有効に

最初に、「コンテンツとプライバシーの制限」画面の一番上、「コンテンツとプライバシーの制限」欄を「ON」にしてください。「コンテンツとプライバシーの制限」機能が有効になり、各種設定が可能になります。

その後、「コンテンツ制限」をタップすると、「コンテンツ制限」画面が表示されます。この画面で、iPhoneで表示可能なコンテンツのセキュリティレベルを細かく設定できます。

「コンテンツとプライバシーの制限」画面で、一番上の「コンテンツとプライバシーの制限」欄を「ON」にして「コンテンツ制限」をタップする
「コンテンツ制限」画面が表示される

《Check!》
「スクリーンタイム」の設定を変更する際には、しばしば「スクリーンタイム・パスコード」が要求されます。「スクリーンタイム・パスコード」を子どもに知られてしまうと、子どもが自由に「スクリーンタイム」の設定を変更できるようになってしまうので、「スクリーンタイム・パスコード」は容易に類推できてしまう数字を避け、子どもに知られないよう厳重に管理してください。

「スクリーンタイム」の設定を変更する際には、「スクリーンタイム・パスコード」が要求される

ストアコンテンツを制限する

以上の準備が終われば、「コンテンツ制限」機能の設定が可能になります。まずは、AppStoreなど、ストアコンテンツの制限からです。ストアコンテンツの制限は「コンテンツ制限」画面の「許可されたストアコンテンツ」欄で設定します。

ストアコンテンツの制限は「コンテンツ制限」画面の「許可されたストアコンテンツ」欄で行う

利用する国・地域を設定する

「コンテンツ制限」画面で「制限の地域指定」をタップすると、「制限の地域指定」画面が表示されます。この画面でiPhoneを利用する国・地域(日本で利用する場合は「日本」)を選択してください。なお、通常は初期状態で、「制限の地域指定」には「日本」が選択されているはずです。

「制限の地域指定」画面で「日本」を選択する

不適切な内容を含む音楽や書籍をブロックする

「音楽、Podcast、ニュース」と「ブック」の項目では、「iTunes Store」等で販売されている音楽や書籍の制限レベルを設定できます。これらの項目で「不適切な内容を含まない」を選択すると、「Explicit」ラベルが付加されているコンテンツや“不適切な描写”を含む書籍などが表示されなくなります。

「音楽、Podcast、ニュース」「ブック」では「不適切な内容を含まない」を選択しておく

《Check!》
「Explicit」ラベルとは、子どもにとって不適切な内容が含まれていることをユーザーに示すためのラベルです。「iTunes Store」などで表示されることがある小さい赤字の「E」マークが「Explicit」ラベルで、「不適切な内容を含まない」を選択すると、この種のコンテンツがブロックされます。

「Explicit」ラベルのコンテンツはブロックされる

「映画」「テレビ番組」「アプリ」を年齢に合わせて制限する

「映画」「テレビ番組」「App」の項目ではそれぞれ、「App Store」や「iTunes Store」から入手可能な映画やテレビ番組、アプリを制限できます。これらの項目は子どもの年齢に応じて、制限レベルを設定できます。

なお、「○○を許可しない」を選択すると、そのカテゴリのコンテンツはすべてブロックされます。「すべての○○を許可」を選択すると、そのカテゴリは制限されません。

「映画」「テレビ番組」「App」の項目では子どもの年齢に合わせて制限レベルを設定できる。

《Check!》
それぞれのコンテンツのレーティング、つまり年齢制限は、「App Store」や「iTunes Store」上で確認できます。

コンテンツのレーティングは「App Store」や「iTunes Store」上で確認できる

「ミュージックのプロフィール」を制限する

「ミュージックのプロフィール」欄は、ミュージックアプリのソーシャル機能を制限するための項目です。この項目を「オフ」にするとソーシャル機能が使えなくなり、友人のプロフィールや投稿が見られなくなります。

ミュージックアプリのソーシャル機能を制限

インターネットの利用を制限する

残念ながらインターネット上のコンテンツは玉石混淆で、栄枯盛衰も激しいため、危険な情報を完全にシャットアウトするのは困難で、Webフィルタリングは完璧ではありません。ですが、危険を少しでも減らすため、「Webコンテンツ」欄でのインターネット利用制限は極めて重要です。

「コンテンツ制限」画面で「Webコンテンツ」をタップすると、「Webコンテンツ」画面が表示されます。インターネットの利用制限はこの画面で設定します。

インターネットの利用制限は「コンテンツ制限」画面から「Webコンテンツ」をタップ

インターネット利用に制限をかけない

「Webコンテンツ」画面で「無制限アクセス」を選択した場合、インターネットの利用制限はオフになり、WebサイトやWebサービスがブロックされることはありません。この場合は、とくに設定すべきことはありません。

「無制限アクセス」を選択すると、インターネット利用に制限がかからなくなる

インターネット利用に緩い制限をかける

「Webコンテンツ」画面で「成人向けWebサイトを制限」を選択した場合、インターネットの利用には緩い制限がかかります。具体的には、成人向けのアダルトサイトと、詐欺や薬物、犯罪情報といった違法性が明らかなサイトだけが、ブロックされるようになります。

明らかに危険なサイトと、「常に許可しない」欄に追加されたサイトの利用が制限される。なお制限を解除したい場合は「常に許可」欄にサイトを追加することで利用可能になる
「Webサイトを追加」をタップすると「Webサイトを追加」画面が表示され、「常に許可」「常に許可しない」欄にサイトを追加できる

《Check!》
登録済みサイトは、項目を左にスワイプすることでいつでも削除できます。

項目を左にスワイプすると、登録済みのサイトを削除できる

インターネット利用を厳しく制限する

「Webコンテンツ」画面で「許可されたWebサイトのみ」を選択すると、インターネットの利用は厳しく制限されます。具体的には、「これらのWEBサイトのみを許可」欄に登録されているWebサイトだけが利用可能になり、それ以外のすべてのサイトがブロックされます。

ただし、初期状態で登録されているサイトは米国のものがほとんどなので、日本で利用する場合は利用を許可するサイトを逐一、親の手で追加する必要があります。なお、サイトの追加は、「Webコンテンツ」画面最下部にある「Webサイトを追加」から可能です。

「これらのWEBサイトのみを許可」欄に表示されているサイト以外はすべてブロックされる
「Webコンテンツ」画面最下部にある「Webサイトを追加」をタップすると、利用できるWebサイトを追加できる

《Check!》
登録済みのサイトは、やはり項目を左にスワイプすることで削除できます。

項目を左にスワイプすると、登録済みのサイトを削除できる

「Siri」による検索を制限する

「SIRI」欄の「Web検索コンテンツ」は、Siri経由でインターネット検索を可能にするかどうかを設定する項目です。一方、「不適切な言葉」は悪口や差別発言、下品な単語等を「Siri」に認識させるかどうかを設定する項目です。「Webコンテンツ」画面でインターネットの利用を制限する場合は、「Siri」から検索ができないよう、どちらも「許可しない」に設定しておきましょう。

「SIRI」欄はいずれも「許可しない」に設定しておく

「Game Center」の利用を制限する

「コンテンツ制限」画面最下段の「GAME CENTER」欄には、「マルチプレイヤー」「友達を追加」「画面収録」の3つの項目があり、「許可しない」を選択することでそれぞれ、「複数プレーヤーによるマルチプレイ」「友だちの招待」「ゲームプレイ動画のキャプチャ」ができなくなります。

「GAME CENTER」欄では、iPhoneの「Game Center」機能に制限をかけられる

***

以上で、iPhoneの利用制限機能である「スクリーンタイム」の使い方を一通り説明しました。スマートフォンやインターネットは、今や子どもたちにとって必須のアイテムですが、使い方によっては危険な存在でもあります。子どもたちが安全にiPhoneやインターネットを利用できるよう、「スクリーンタイム」でしっかり守ってあげましょう。

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