オープンした渋谷ミヤシタパーク。ファッション感覚あふれるエコのポップアップイベントも

 経済産業省主導のもと、2020年7月1日から全国一律でプラスチック製買物袋の有料化が始まった。日用品流通のEDI基幹プラットフォーム事業を営む株式会社プラネット〈2391〉が実施した「レジ袋とマイバッグ」をテーマにしたアンケート調査によると、レジ袋の有料化に「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答した人の合計は70%を超えており、多くの人がおおむね肯定的にとらえていることが分かった。また、年代別に見てみると、高齢になるほど賛成の意見が多い傾向が見られたが、20代や30代では低く、70%未満にとどまっている。今後、制度を浸透させて環境配慮の意識を高めるためには、若い世代への理解を求める必要がありそうだ。

 そんな中、7月28日に渋谷に新たに誕生した、全長約330mの低層複合施設「ミヤシタパーク(MIYASHITA PARK)」で、オープンと同時に環境省が推進するプラスチックスマートの啓発展示が行われることが分かった。

 ミヤシタパークは公園と商業施設、ホテル、駐車場などが一体となった渋谷の新たなランドマークとして、もともとは6月にオープンが予定されていた。しかし、コロナ禍の影響でオープン時期を延期。緊急事態宣言の解除を受け、ようやく7月28日に大きな期待とともに順次オープンにこぎつけた。ミヤシタパーク内には新たな商業施設「レイヤード ミヤシタパーク(RAYARD MIYASHITA PARK)」やホテル「シークエンス ミヤシタパーク(sequence|MIYASHITA PARK)」など話題の施設が入っているほか、オープンエリアは若者世代に人気の、渋谷駅周辺エリア、原宿、表参道エリアの中間地点となっており、新たな人の流れが期待されている。

 そんなミヤシタパークの南街区3階約80坪のスペース「EQUALAND SHIBUYA」で、28日から8月31日までの期間、プラスチックと賢く付き合うヒントを企業の取り組みを紹介しながら伝える「プラスチック・スマート」のポップアップイベントが開催されるのだ。

 運営事務局を務めるのは、世界中のファッション、デザイン、アートを中心に約500ブランドが参加し、25,000人を動員するトレードショー「rooms」などの主催でも知られるアッシュ・ペー・フランス。同社は、近年話題になっている、地球環境や人、社会、地域に配慮した「エシカル」という考え方を推進しており、roomsにも大規模なエシカルエリアをつくるなど積極的だ。その影響もあって、意識の高い方や一部の芸能人、モデルも「同じ持つなら、買うなら、選ぶなら環境にいいものを」という風潮を生み出している。

 若者文化に敏感なアッシュ・ペー・フランスが仕掛けるイベントだけに、明るくお洒落な催しが期待できそうだ。

 会場では今回、プラスチック・スマートのメンバー企業の展示が行われる。例えば、アキュラホームからは、「G20大阪サミット」で採用されて大きな話題となった世界初のカンナ削りの「木のストロー」がパネル展示される。世界的の飲食業界では今、脱プラスチックストローの動きが盛んになっているが、このストローは環境に優しいだけでなく、見た目も高級感があり、非常にスタイリッシュだ。昨年は、テレビなどの多くのメディアでも取り上げられたこともあり、若者の評価も高いという。

 ミールキットなどの食品宅配を展開するオイシックス・ラ・大地株式会社は、サトウキビ由来の植物原料を配合したバイオマスプラスチック素材「バイオマスフィルム」を展示する。同社ではミールキットで日本初めて、このバイオマスフィルムを全ての商品に使用。プラスチックの減容化により、年間で石油由来プラスチック使用量を約3トン、二酸化炭素(CO2)排出量を約13トンそれぞれ削減することに成功している。他にも、アサヒ飲料の「ラベルレスフィルム」などが展示される予定だ。

 渋谷の新しいランドマークとなる複合施設で生まれるエコの融合が、若者たちの新たなファッションとなることを期待したい。(編集担当:藤原伊織)

ミヤシタパークは公園と商業施設、ホテル、駐車場などが一体となった渋谷の新たなランドマークとして、もともとは6月にオープンが予定されていた

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