「投棄でなく紛失」 妻殺害し両脚切断、海に遺棄した被告

横浜地裁

 川崎市宮前区の自宅で2019年6月、妻を殺害した後、遺体の両脚を切断して平塚市の海に遺棄したとして、殺人と死体遺棄、死体損壊の罪に問われた無職の男(27)の裁判員裁判が28日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で始まった。被告は起訴内容をおおむね認めて罪の成立を争わないとしたものの、遺体の一部について「(海に)投棄したのではなく紛失した」と述べた。

 検察側は冒頭陳述で、被告が入籍前に妻に内緒で仕事を辞めて無収入になり、趣味のボードゲームの購入費や生活費のために借金を重ねていたと指摘。返済のために妻のクレジットカードを無断で使用し、入籍時の祝儀も使い込んだが、妻に気付かれて非難されたことで「自尊心を傷つけられ夫婦関係が修復できないと考え、殺すしかないと決意した」と経緯を述べた。

 証拠調べでは、クレジットカード会社などからの被告の借入額が249万円余りに上ったことを明らかにした。

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