鳥取県、クラスター条例提案へ 施設名を公表、営業停止を要請

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鳥取県庁

 鳥取県の平井伸治知事は28日、県内で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した場合、施設名を公表した上で営業・使用停止を要請できる全国初の条例を制定する方針を表明した。現行法では公表できない施設名が明らかになれば、接触者が名乗り出る可能性が高まり、迅速な封じ込めにつながるとして、独自の対策を打つ。

 早ければ8月に県議会臨時会へ条例案を提案する。患者や医療従事者に対する誹謗(ひぼう)中傷の防止も盛り込む。

 条例は、食品衛生法に基づく食中毒発生時の対応と同じ仕組みで、5人程度以上のクラスターが発生した施設の名称を公表し、営業・使用停止を要請する。利用者にはPCR検査などを呼び掛ける。

 営業停止に応じなかった場合の罰則はないが、名称の公表により来店を控えるなど実効性を確保できるとみている。施設が十分な感染対策をしており、別に原因があった場合は休業補償も検討するとしている。

 新型コロナ特措法では、休業要請に応じない施設名を公表するには緊急事態宣言が前提となる上、手続きに時間がかかる。全国では施設に名称公表を要請しても同意が得られない事例が相次ぎ、全国知事会が実効性のある法整備を政府に求めている。平井知事は記者会見で「法的手段がなく、クラスターからの感染拡大を許している」と危機感を示し、条例制定を急ぐ考えを示した。(小畑浩)