熊本県内の新型コロナ感染急増、追跡調査困難に 医療態勢「逼迫せず」

©株式会社熊本日日新聞社

 熊本県内の新型コロナウイルス感染者が大幅な増加に転じた。県は入院病床を最大400床確保しており、「現時点で医療態勢は逼迫[ひっぱく]していない」とみる。ただ、現場の保健所は相次ぐクラスター(感染者集団)対応に追われ、感染者の行動経路や接触者を丹念にたどる追跡調査が困難になりつつある。

 県は流行第1波となった3~4月の経験を踏まえ、医療態勢を整備した。感染症指定医療機関(10カ所)と協力医療機関で確保した最大400床に対し、27日午前の段階で入院中か入院予定の感染者は計32人だった。しかし、27、28の両日だけでも50人を超える感染者が確認されており、今後の入院者数は見通せない。

 県は、病床に余裕がなくなれば、軽症者や無症状者は宿泊施設で受け入れる計画。県内16施設(1430室分)と協定を結んでいるが、実際に借り上げる手続きはこれから。早くても1週間程度はかかるという。

 一方、保健所職員の負担増は深刻になっている。県はクラスターが発生した有明、山鹿の両保健所に応援職員を派遣したが、従来のように感染者一人一人の立ち回り先や接触者を公表できていない状態。県幹部は「追跡調査は早期検査でまん延を防ぐ有効な手だてだが、感染者が多すぎて手が回らなくなりつつある」と疲れ気味に話した。(野方信助)