早期入居に移動式住宅 “第3の仮設”に期待 豪雨災害の球磨村に熊本県内初設置

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球磨村総合運動公園の一角に急ピッチで整備が進む仮設住宅の移動式木造住宅=27日午後1時半ごろ、同村(高見伸、小型無人機で撮影)
断熱材が張られ、木の香りが漂う移動式木造住宅の内部。被災した住民らが内覧に訪れた

 熊本県南部を襲った豪雨災害で県は、仮設住宅として移動式木造住宅の設置を球磨村で進めている。従来の建設型仮設住宅は完成まで2~3カ月かかるが、約2週間で入居可能。村内には民間賃貸住宅がないため借り上げ型のみなし仮設住宅の確保も難しく、被災者の早期入居につながる。

 設置場所は、同村渡の村総合運動公園。定員3~4人の2DK(30平方メートル)20戸、7人の4LDK(60平方メートル)13戸のほか、集会所(72平方メートル)も設置する。

 移動式木造住宅は「ムービングハウス」と呼ばれ、トレーラーに積んで運べる。横2・4メートル、高さ2・9メートル、縦が6メートルと12メートルの2種類の「基本ユニット」があり、組み合わせることで平屋や2階建ての住宅、集会所、店舗などにすることが可能。ガスや水道などの配管を整備すれば生活できる。

 建設型でも借り上げ型でもない「その他」の仮設住宅に分類され、2018年の西日本豪雨で岡山県倉敷市に初めて設置。北海道地震や昨年の台風19号の被災地でも利用された。県内で仮設住宅に使うのは初めて。

 今回は「日本ムービングハウス協会」に加盟する住宅会社「アーキビジョン・ホールディングス」(北海道)が、北海道や茨城県などで展示や宿泊用としていたものを集めた。

 同社の田内玄史さん(41)は「プレハブと違い、断熱性や気密性、防音性は一般住宅並み。災害関連死や健康被害のリスク軽減にもなる」。県は「複数の被災地で実績があるので、被災者の生活環境改善の一助となれば」と期待する。

 村は8月上旬の入居開始を見込んでおり、現地で内覧会を実施中。全壊か大規模半壊以上で、要支援者と同居する世帯を優先して入居させる方向で調整している。

 妻と訪れた同村渡地区の農業地下征喜さん(78)は「こんな立派なところに仮住まいできたらいい」と話した。(熊川果穂)