農業に憧れる若者「一生続けたい」 酒米・山田錦づくり

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兵庫県のほぼ中央にあり、温暖な気候で古くからお米や野菜の生産で知られてきた加西市。特に酒米の王者・山田錦の一大生産地です。米作りに奮闘する若き就農者に、加西での農業の魅力を尋ねます。今回は万願寺地域でネギやレタスをつくる大橋麻世さんに聞きました。

播磨町出身で、7年前に加西市北部の万願寺地域で就農した大橋さん。実家は農家ではなかったものの、幼い頃から農業に憧れを持っていたといいます。これまで主に野菜を生産していましたが、今年、山田錦作りに初挑戦しました。

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――大橋農園をスタートして7年目。今年から山田錦を育て始めたんですよね。様子はいかがですか?

ちょうど田植えが終わって様子を見ています。師匠さんには「1年目にしては上手やで」と言ってもらいましたが、僕の中では「ちょっと肥料が足りなかったかな」っていう感覚もあって。研究しているところですね。

――なぜ今年、山田錦を始めようと思ったんですか?

加西市で就農した時、いつかは山田錦を作りたいなと思っていました。92歳になる僕の師匠さんが引退されることになり、この機会に挑戦してみようと思いました。

――万願寺地域にとても魅力を感じているとのことですが、この土地のいいところは?

地域の皆さんがあったかいところですね。僕が就農したいと話をしたら「やってみい」と受け入れてくれて。移住のため、家を貸してほしいとお願いした際にも快く斡旋していただきました。

――就農してすぐの頃は苦労も多かったそうですが、どんなことがあったんですか?

ここは獣害が多いんですが、まさか自分の野菜を食べに来るとは思っていなくて。朝起きて畑に行ったら「あれ、何だか野菜が成長してないな」と気づき、よく見たら新芽が全部食べられていました。野菜が全滅してしまった経験も何度もあります。それからは電気の柵を設置したり、鹿などが飛び越えられないように網を張ったりと、獣害対策を覚えました。

大橋さんが、92歳の”師匠”の教えを受けながら初めて植えた山田錦の稲たち。梅雨空の下でもたくましく成長する姿に、秋への期待が膨らむ。

――農業をしていて一番楽しい瞬間は?

自分が作った野菜が消費者に届くのを直接見られるところ。そして食べてもらって「おいしかったよ、すごいなぁ」と言ってもらえるのが魅力ですね。ただ、就農して7年が経ちますが、まだまだ、全然ダメやなと。自分の中では全く満足できていないんです。師匠さんに教えてもらいながら、どんどん新しいことを勉強したい。そして、よりいいものを作っていきたいと思っています。

――7年続けていても、そう感じていらっしゃるんですね。

7年なんて、全然少ないなって。自分の師匠さんが92歳の方なんで(笑)。

――大橋さんご自身も、92歳、その先までずっと農業に携わっていたいと思いますか?

はい。そして自分の息子たちにも農業をしてもらって、同じように長年続けていけたらと思っています。

――挑戦したいことや、目標を教えてください。

山田錦に関してはどんどん作る面積を増やしていきたいですね。そして、最近田んぼを辞められた方も多いので、引き継いで作っていけたらなという思いがあります。

――最後に、大橋さんをそばで一番支えてくれているご家族にメッセージをお願いします。

妻と妻のお母さんが僕のために加西市に移住してくれて。本当にありがたいと思っています。これから農業でどんどん成功していけるように頑張るので、これからもよろしくお願いします。

大橋農園の大橋麻世さん。加西・万願寺にきて7年。「ここまで来れたのは、自分のような新規就農者を温かく迎えてくれた地域のみなさんや、家族の支えがあったからこそ」と振り返る

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明るく、笑顔が素敵な大橋さん。地域の皆さんのサポートを受けながら、一生懸命に、そしていきいきと農業に向き合っています。大橋さんにとって初めてのチャレンジとなる山田錦作り。秋の収穫が楽しみです。

新しく農業に携わる人への支援体制が厚いという加西市は、若い就農者にとって挑戦の舞台となる素晴らしい場所。今後も加西の「農ライフ」の魅力をご紹介します。

※ラジオ関西『PUSH!』2020年7月22日放送回、加西山田錦「農ライフ!」より