みなとメディカル一部再開 8月11日にも全面再開へ

長崎みなとメディカルセンター診療再開予定

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生に伴い12日から診療をほぼ全面休止していた長崎みなとメディカルセンター(長崎市)は29日、外来、入院診療などの一部を再開した。段階的に受け入れを拡大し、今後感染の広がりがなければ8月11日に全面再開する。
 センターを運営する市立病院機構の片峰茂理事長は市役所で記者会見し、「感染症指定医療機関として二度とクラスターを起こすわけにはいかない。水際対策を徹底し、職員の意識改革もして、市民の信頼回復に努めたい」と述べた。
 29日に再開したのは、心臓血管内科など4科を除く外来(再診)や、クラスターが起きた1病棟以外の入院など。新規外来などは8月3日から段階的に再開する。面会は当面禁止する。クラスターが起きた病棟への入院は11日に再開予定だが、現在、入院中の感染者の状況などをみて最終的に判断する。
 河野茂長崎大学長を委員長とする第三者評価委員会が27日、再開可能と判断した。今後は院内に設置した手指消毒用のアルコールの残量を測定するなど、職員の感染防止の取り組みを数値化し、定期的に第三者評価委に報告する。
 センターでは10日から27日にかけ、14人(職員7、入院患者7)の感染を確認し、既に3人が退院している。感染した患者が一時入所していた市内施設関係者2人も感染し、1人が死亡した。澤井豊光感染制御センター長は、市内の会員制飲食店を訪れた後、11日に感染が確認された20代男性医療職が「クラスターの発端だと判断している」とした。
 センターは水際対策を強化するため、29日から正面玄関に来館者の体温を測定するサーモグラフィーを設置した。退院後の検診が2週間先延ばしになっていたという60代主婦は「治療のために早く再開してほしいと思っていた。でも消毒をしたと言ってもウイルスは目に見えないから怖いし、不安はある」と話した。

© 株式会社長崎新聞社