女川2号機再稼働「議論不十分」 宮城県検討会最終報告に市民ら批判

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 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の安全性を検証する宮城県の有識者検討会が最終会合を開いた29日、出席した立地自治体の首長からは再稼働の可否判断について「期限は決めていない」と慎重な発言が相次いだ。再稼働の是非に言及しない検討結果に、市民団体は「議論が不十分だ」と強く批判した。

 仙台市青葉区であった会合には村井嘉浩知事と須田善明女川町長、亀山紘石巻市長が出席。検討会が取りまとめた報告の文書を座長の若林利男東北大名誉教授からそれぞれ受け取った。

 村井知事は終了後の取材で「今後の判断材料にしたい」と強調。8月6日の原発視察の予定に触れ「東日本大震災後の女川原発の変化を自分の目で確かめたい」としたが、可否を判断する時期は「全く分からない」と述べた。

 「専門家の議論の重みをしっかり受け止めたい」と語ったのは須田町長。判断時期について「一つ一つのプロセスを積み重ねた先にしかない」と明言を避けた。

 報告の文書には災害時の住民への情報提供など立地自治体への要望も盛り込まれた。亀山市長は「自治体が取り組むべき課題を示してもらった。報告の内容を踏まえ、今後慎重に考えたい」と話した。

 再稼働の前提となる「地元同意」手続きの停止などを求めてきた市民団体からは疑問の声が上がった。

 傍聴した「女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション」の多々良哲世話人は「広域避難計画の専門的な議論すらなかった。県民の方を向くべき検討会が役割を果たしたと言えるのか」と語気を強めた。

 元女川町議で、広域避難計画の実効性の検証を訴える住民団体の高野博事務局長は「再稼働に向けたお墨付きとして、県側のアリバイづくりの場にすぎなかった」と語った。

 東北電の増子次郎副社長は報道陣の取材に「原子力の安全性への責任は一義的には事業者にあると改めて認識した。不断の努力を積み重ねたい」と答えた。