東京都医師会 「今すぐ国会を招集し特措法改正を」 「夏休みの場合ではない」 会見で強く訴え

東京都医師会は30日の定例会見の中で、勢いを増しているコロナ禍に対する、今後の都医師会として考えを発表した。特に国に対し、感染抑止には休業要請に強制力を持たせることが必要として、「今すぐ国会を招集し特措法改正を」と訴えた。

「最後のチャンスだ、今は夏休みしている場合ではない」

この日の会見に臨んだ尾﨑会長は「今日は言いたいことを言わせてもらう」と覚悟を持った表情で、国や国会への要望をぶち上げた。まずさらなる感染拡大を防ぐために、今後都医師会として考えている施策の柱を説明した。

その中で会長が強調したのは「感染が蔓延しているいわゆる、エピセンターを徹底的に叩く」必要性。このためには、エピセンターに限定し、かつ14日程度の期限を区切って、法的強制力を持った補償を伴う休業要請を行い、その間に集中的なPCR検査で無症状者も含めた感染者を発見、隔離などを行うことで感染抑止する必要性を力説した。さらに、休業要請に強制力をもたせるためには特措法の改正が必要だと指摘し「今すぐ国会を招集し特措法改正を。私はここが収束させるための最後のチャンスだと思っている。夏休みしている場合ではない」「東京だけの問題ではない。今や名古屋、大阪にも感染が広がりエピセンターになってしまっている」と強烈な皮肉を含みながら、政府、国会にに対し強く要請した。

都医師会はそのほか、都内1400箇所でPCR検査を行えるように体制を拡充するほか、介護施設でクラスターが発生した時、現地で迅速にPCR検査を行える「PCRカー」等を持つ検査チームの創設を発表。医師会の積極的な対応をアピールするとともに、感染者数増加により業務負担が増えている、感染者の収容先調整業務を根本的に削減できる「コロナ専門病院」を創設できるよう都などに要望した。

尾﨑会長は最後にも改めて登壇し「新型コロナウイルスに夏休みはない。今しなければならないことをしてください」と再び強い口調で政治家に訴えた。医療界においてこれほど強い口調で政治に訴えたのは近年になく、感染拡大が止まらない中、専門家のこうした強い声を政治がどう受け止めるのか注目される。

© 合同会社ソシオタンク