横浜市立大学、CT検診車で「コロナ肺炎」早期診断 8月初旬から運用開始予定

横浜市立大学大学院医学研究科・放射線診断学の山城恒雄准教授が研究開発代表者として取り組む、CT搭載車(CT検診車)を用いた新型コロナウイルス肺炎の早期診断の有用性に関する実証研究が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「ウイルス等感染症対策技術開発事業」に採択された。感染対策装備や遠隔画像診断装置の実装などCT搭載車の最終的な整備を行い、2020年8月初旬から運用を開始する予定。

肺炎(新型コロナウイルス肺炎)は、新型コロナウイルス感染症が引き起こす最も頻度が高い疾患だ。高齢者や何らかの基礎疾患を有する人はしばしば肺炎を起こし、重症の肺炎になった場合はその致死率は決して低くない。

新型コロナウイルス肺炎は、初期の段階では通常の胸部レントゲン検査(X線撮影)ではほぼ検出できず、胸部CTのみで診断可能。しかしその診断精度には「感度は高いが特異度が低い(新型コロナウイルス肺炎を発症していればCTでおおむね特定できるが、他の原因による肺炎とCT上は区別することが難しい)」という課題があり、さらに、放射線被ばくを考慮すると、むやみに行われるべき検査ではない。

一方、PCR検査等で感染が判明している人や感染が強く疑われる人が、肺炎を疑う症状をすでに訴えている場合、新型コロナウイルス肺炎の有無や重症度をCTで速やかに評価することは、早期に適切な治療へつなげるという観点から大きな意味がある。

そこで、横浜市立大学では、種々の感染対策(医療用の空気清浄装置含む)を施した「新型コロナウイルス肺炎の画像診断に特化したCT搭載車」を構築することにした。この検診車は最先端かつ低被曝のCTスキャナーと迅速な画像診断が可能な遠隔画像診断装置を搭載しており、様々な局面で有効な使い方が想定される。地方自治体等と連携しながらその「有効な使い方」を模索し、ウィズコロナ時代の日本社会にどのように貢献できるのか、積極的に探索を進めていく。

参考:【横浜市立大学】AMED「 ウイルス等感染症対策技術開発事業 」に採択 CT搭載車を用いた新型コロナウイルス肺炎の早期診断の有用性に関する実証研究を行います

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