楽天生命パークの新型コロナ対策は? ファンに安心を届けるための取り組み

「FANS' ユニフォーム」をリメイクしたマスクカバー【写真提供:楽天野球団】

スタジアムの感染症予防対策は万全、人気の席種も購入のチャンス?

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、無観客試合での開幕を経て、7月10日から上限5000人を条件に観客動員を始めたプロ野球。ファンにとっては待望の現地観戦だったはずだが、「実際の動員数は想定を下回っている」と話すのは、楽天野球団マーケティング本部事業部の平田完さんだ。チームの戦況関係なく、まだスタジアムへ出かけるというモチベーションが起きにくいのは、いま球団やスタジアムはどのような感染予防策をとっているかが見えにくいからだろうか。

安心安全な野球観戦に向けて講じている対策について、楽天生命パーク宮城では、ゲートでの検温調査や400個のアルコール消毒液の設置、スタッフのマスク・フェイスシールド・手袋の着用の徹底と、基本的な感染症予防対策は万全な状態で行っている。さらに、QRチケットの普及や、昨季からスタジアム全体で実施しているキャッシュレス決済も、人同士の接触を避けるという感染症予防の基本に即しているかたちだ。

さらに観戦スタイルはというと、内外野は2席あけ、1列飛ばしで着席。グループで利用するボックス席は分散して着席して、グループでも密を防ぐことを徹底している。心理的なハードルを少しでも取り除くことができれば、安全で快適にスタジアムで過ごせるだろう。「例年であれば即チケットが売り切れるエリアがまだ余っている。今まで年間シートでないと入れなかった席も普通に買えるようになっているので、ぜひお買い求めいただきたい」と平田さんは話す。

ユニフォームをマスクカバーにリメイク。勝紺色のマスクカバーが生まれた理由

試合数減少の影響が出た事業の一つに、ギブアウェイ(配布)ユニフォームがある。楽天イーグルスでは、来場者に10万枚以上の「FANS’ ユニフォーム」のプレゼントを考えていたが、開幕直前で無観客になり、ユニフォームが予定枚数を全て配布できないということが明らかになったのだ。

そこで、余ったユニフォームの生地の有効活用を考えていたところ、グッズの売り上げでマスクカバーが人気だったことから需要を感じ、ユニフォーム生地リメイクの「FANS’マスクカバー2020」が誕生した。「ユニフォームの協賛企業であるフジ・コーポレーションさまに提案したところ、お客様に喜ばれるものをという球団の考えと、安心安全な野球観戦をという主旨にご賛同いただきました」と事業本部マーチャンダイジング部の渡辺誉志さん。およそ2万枚分のユニフォーム生地から40万枚のマスクカバーが作られる。

マスクカバーは一般的に流通するマスクとは用途が異なるため、マスクの上から装着するのが正解。渡辺さんは、「ぜひユニフォームとのコーディネートを楽しんでほしい」と呼びかける。「伊達の勝色」と呼ばれる濃いネイビーは、日本はもちろん世界中で強い色・勝利を象徴する色として「ヴィクトリーネイビー」の名で親しまれている縁起がいい色。自身の健康と、チームの勝利のお守りにもぜひ手に入れて欲しい。

サイズはフリーサイズ(大人用)のみで、当日の観戦チケットを持つ人が対象。スタジアム各エントランスで入場時に受け取ることが可能となっている。現在のところは8月4日からの対ソフトバンク6連戦で配布が決まっているが、その後も継続して配布することを検討しているという。(「パ・リーグ インサイト」海老原悠)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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