「コロナ感染者の中傷やめて」 熊本県の自治体トップら 「卑劣な行為」と強調

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 新型コロナウイルス感染者への誹謗[ひぼう]中傷はやめてほしい─。熊本県内の自治体トップらが、SNSやホームページなどを通じて、感染者の人権に配慮するよう求める声を相次いで上げている。

 感染者が多数確認されている熊本市。大西一史市長は22日、自身のツイッターに「感染者もウイルスの被害者。人権への配慮が必要です」と投稿した。

 同市では20日以降、ほぼ毎日感染確認が続く。大西市長は「もし自分が感染して厳しい言葉を浴びると思ったら、つらいと思う」と訴えた。

 新型コロナをめぐっては、感染者や濃厚接触者が、SNSやインターネット上で家族や勤務先の情報なども追跡され、嫌がらせを受ける事例が問題となっている。

 クラスター(感染者集団)が発生した山鹿市の介護老人保健施設「太陽」の関係者に対しても同様の事例があり、中嶋憲正市長は28日、市のホームページで「卑劣な行為が行われている」と指摘。「感染が確認された人は勇気を持って検査を受けられた。感謝すべきで、誹謗中傷をしてはならない」と強調する。

 同じくクラスターが発生したジャパンマリンユナイテッド有明事業所がある長洲町。中逸博光町長は27日、町のホームページで「県や町が発信する正しい情報を確認し、根拠のない情報に惑わされることなく冷静な行動を取ってほしい」と促した。

 蒲島郁夫知事は30日、クラスターの拡大を防ぐため、今後は感染者が住む市町村名を公表すると表明。「感染者や地域への不当な嫌がらせ、誹謗中傷は絶対にしないでほしい」と求めた。

 首長らは感染者を支援する重要性を訴え、「感染した方の一日も早い回復を祈っている」と口をそろえる。(潮崎知博)