感染者の公表、市町村単位で 熊本県が変更「住民への注意喚起」

©株式会社熊本日日新聞社

新型コロナウイルス新規感染者の居住地について、「市町村単位」での公表に変更すると発表した蒲島郁夫知事=30日、県庁

 熊本県は30日、新型コロナウイルス新規感染者の居住地について、従来の「10保健所単位」の公表から「市町村単位」に変更すると発表した。運用は同日から。住民への注意喚起と感染拡大防止につなげる狙い。

 県は感染者を初めて確認した2月以降、保健所単位の公表という独自のルールを運用。理由について、▽濃厚接触者の把握とウイルスの封じ込めで、住民の不安を解消できる▽市町村単位の発表は個人の特定と偏見につながる恐れもある─などとしていた。

 変更した理由について、蒲島郁夫知事は同日の会見で、県内で発生したクラスター(感染者集団)を挙げ「市町村の住民に感染拡大防止策を徹底してもらう必要がある」と説明。感染者や地域に対して「不当な嫌がらせ、誹謗[ひぼう]中傷は絶対にしないでほしい」と求めた。

 具体的なクラスターの発生場所についても「感染拡大の防止に必要と判断すれば、事業者の同意がなくても公表する」とした。

 九州では、町村を郡単位で公表している福岡県を除く5県が既に市町村単位で公表している。

 一方、クラスター発生で感染者が急増していることを受け、軽症や無症状者が療養する旅館・ホテル16施設(1430室)は、8月上旬から順次受け入れを始める。PCR検査能力も熊本大や民間事業者と連携し、8月には1日322件(熊本市含む)から約200件の上積みを目指す。

 蒲島知事は、感染が流行している地域や県境を越えた移動の自粛も改めて呼び掛けた。(高宗亮輔)