葵と小野塚の対立を“トローチの穴”で見事にオトす素晴らしい物語運び!そしてやっぱりエンドロールがずるすぎる!!

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放送終了後、「トローチ 穴」

って検索した人、急増ですよね?
だって、会話の中でクイズ出してんのに、その答えを全く教えるそぶりなしで、いつもの感動エンドロールへいってしまうんだもの…。だけどそれが正解!

あの場面の最後に伝えたかったのは、“トローチの穴の理由”ではなくて、葵(石原さとみ)の人間性…あんなに薬のことなら何でも知ってます!って感じのキャラで、そのことで誰かを救い、時に傷つけ、空回りだってしてしまうんだけど、人間だもの、やっぱり知らない事だってある…だからといって、それを認めてしまうのは悔しいから、敢えて口に出したりしないもんね…っていうプライドとチャーミングのせめぎ合い…それこそが石原さとみの真骨頂!な表情を見せたいんだもの。

っと、そんなこと言いつつ「トローチ 穴」と僕は検索してしまったのですが、その答えは是非、ご自分で検索してください。まさかあの穴に優しさが隠れているとはね…。

そして今回もなんていい話。ちょっと泣いちゃったよね…。第1話も相当いい話だったのに、今回のほうがなんでか、泣けたよね…。小学校の担任の先生(浅利陽介)が、生徒からの思いがけないメッセージによって救われる…って、ここだけ抜き取ったら、ベタ過ぎるし、僕の涙腺が加齢と共に緩んでいるとしか思えないエピソードのはずなんだけど、ここに至るまでの経緯がもう、どんだけ追い詰めんだよっていう展開だったから、最後の救いが沁みるのなんの。

週3回4時間の透析を受けていて、そのことから同僚教師からも保護者からも目線は冷たく、さらに生徒たちからも薬の副作用が出たことで”ゲロゲロ先生”と呼ばれ、それでも必死に自分が目指す理想の教師になるべく努力するんだけど、元気だった頃に生徒たちが書いてくれた寄せ書きを眺めながらその頃に思いふける…って、辛すぎる。

それをどうやって薬剤師が希望へと導くんだろう?と期待してたら、元気な体を取り戻すには、薬の飲み忘れを防ぐ“お薬カレンダー”を活用しましょう!っていう葵の提案に、ズコーッ!(そんぐらい誰でも思い付くわ!)って、一瞬壮大に肩透かしをさせておいてからの、はいはい、ここは超おせっかいの葵が毎回ポケットに薬入れて渡しちゃうワケね!なんちゅう荒業!だけど葵ならやりかねない!って若干納得しかけてからの、実は薬を入れるポケットに子ども達からのメッセージを挟んでみました、毎日子供達のエールと共に薬を飲んでいきましょう…っていうオチ。

そら涙、落ちるよね。いくら子ども達からのピュアメッセージという卑怯でベタな手段とはいえ、あんなキレイなオチに導かれるんだったら、当然泣くよね。

しかもダメ押しで、エンドロールの終わり。お薬ポケットの最後には、葵からのメッセージが入ってる…って、ずるい!ずるすぎる!確かに、あの服薬指導室のシーンでは、お薬ポケットの残り1個だけ、空いてたもんなー、むしろ1個空くことこそがリアリティ、お薬ポケットの数と生徒の数が合うことは不自然だとすら思ってたのに、まさか葵のね…しかもしかも、1話と2話のエンドロールの最後が、処方箋の袋にスタンプされた葵という文字、そっからの今回はひねって葵のメッセージ…って気が利きすぎてる!素敵!!

で、話戻って、追い詰め方と言えば、これまで謎の男として登場していた小野塚(成田凌)ですよ。あんなに好青年風だった小野塚が、実はドラッグストアに勤める薬剤師で、しかもなんだか鬱屈してて、それを葵の“患者と向き合いすぎる”病院薬剤師との働き方、境遇の違いを比較しながら、理想と現実がどんどん離れていく様子を丁寧に描いていく…っていう。

そこに葵も巻き込んで、これまで葵もそのやり方に対して散々追い詰めてきたはずなのに、小野塚関連でもさらに追い詰めてくる…ってすごい覚悟ですよね。だってそうしないとただのスーパーウーマンものになっちゃうもんね。で、結構最後の最後まで二人を対立させてたんだけど、ラスト「トローチの穴」できれいに和解、オトすという素晴らしすぎる物語運び。

加えて小野塚と瀬野(田中圭)には過去で繋がりがあり、憧れもあったり、そんなのをからめたりなんかしながら物語を巧みに動かして、それがあまりに自然でうますぎるから、すべての点が拾いきれない!

でもって、人出が足りない!っていうあからさまな伏線に対して、安易に小野塚が今回で加わらないところが良心的。それがあることで、小野塚はどうやって薬剤部のメンバーに加わるのか?はたまた加わらないのか?っていう今後の展開が想像できるしね。

っとまあ、散々、いろいろ言いましたけど、今回のハイライトはもちろん、真矢ミキさん演じる販田部長ですよね!!

朝、薬剤部へ行くと、誰もいない!!ストライキだわ!!!どうする販田部長!?

の第一声が、

「わかる!」

わかるわけねーだろ!(全視聴者のツッコミ)
販田部長最高!

販田部長って、真矢ミキさんが演じるんだから、もっとキレモノで、カッコよくって、超理想の上司!な真矢ミキさんにしても良かったはずで、そんな真矢みきさんが見たい!!とすら思ってたんだけど、今回の販田部長の真矢ミキさんは、意外性を逆手にとっただけじゃない、販田部長の抜けてるけど素敵上司のキャラクターを見事に体現して、魅了してるんだもん。

今後の「わかる!」バリエーションにも超期待してしまう!!

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)