近畿整備局・溝口宏樹局長が就任会見/安全で夢のある関西に/防災・減災対策に注力

©日刊建設工業新聞社

近畿地方整備局の溝口宏樹局長は30日、大阪市中央区の大阪合同庁舎で就任会見を行い、「大規模な災害が多発する中で、普段から一人一人が防災・減災に対する意識を高め、社会全体が事前に災害に備える力を高めていけるようにしたい」と防災・減災対策に力を入れて取り組むことを表明した=写真。「関西の元気をかたちあるものにするためにも、社会情勢の変化に的確に対応し、安全で夢のある関西であるよう、整備局職員が一丸となってスピード感を持って取り組んでいきたい」と抱負を述べた。

溝口局長はまず、防災・減災対策に触れ、「雨の降り方がこれまでの経験を上回るようなものになって激甚な災害が発生している。気候変動の影響を踏まえると、いつどこで甚大な災害が発生しても不思議でない状況だ。住民の命と暮らしを守り、社会経済がしっかり機能するよう安全な地域、強靱な国土にしていくために、治水対策をはじめとする防災・減災に力を入れていきたい」と述べた。

具体的には「河川やダム、流域での貯留浸透施設などによって川の氾濫を事前に防ぐことにしっかり取り組みたい。また、被害を少しでも少なくするため、まちづくりの中での工夫や確実な避難ができるように住民への分かりやすい情報提供の工夫も必要と考えている」と語り、「国や県などの行政だけでなく、住民や企業の方々を含めて流域全体の関係者で流域治水という考え方で取り組みを進めていきたい」と強調。災害発生時には「近畿整備局が持っている資機材、人材、テックフォース(緊急災害対策派遣隊)といった災害対応力、現場力を生かして被災地域への支援をしっかりしていきたい」とした。

関西の地域活性化については「2025年に大阪・関西万博が開催し、将来的には、なにわ筋線で関西空港と新大阪駅が結ばれ、リニア中央新幹線が新大阪まで延伸される。関西は歴史と文化という魅力があり、観光という面でも期待されている。人やものが迅速にスムーズに安全に流れるよう、道路、港湾、河川といったインフラの整備と適切な管理で後押ししていきたい」と話した。特に道路整備については「道路ネットワークはつながってこそ大きな効果を発揮する。関西にはミッシングリンクが残っており、社会経済活性化の観点からも災害時の代替ルート確保の観点からも力を注いでいきたい」と意欲を示した。

建設業の課題についても触れ、「インフラ整備を支え、地域防災の担い手である地域建設業の持続的な発展が必要だ。少子高齢化が進む中で地域建設業者の後継者問題や技能労働者の高齢化、若手の入職といった担い手確保が課題」だと指摘。「生産性の向上を進めながら、魅力ある建設現場になるよう、発注者の立場でしっかり対応したい。地域建設業の発展、優れた技術力、新しい技術を生かしてインフラの品質確保に取り組んでいきたい」と締めくくった。

(みぞぐち・ひろき)1987年京大大学院工学研究科交通土木工学専攻修了、建設省(現国土交通省)入省。東北整備局胆沢ダム工事事務所長、大臣官房技術調査課環境安全・地理空間情報技術調査官、内閣府(原子力防災担当)参事官(総括担当)などを経て、7月21日付で水管理・国土保全局水資源部長から現職に。愛知県出身、57歳。

溝口宏樹局長