「三重苦」復旧に全額補助 政府、5億円上限に中小企業支援

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 政府は30日、県内を中心とした豪雨の非常災害対策本部で、被災地支援策を示した「対策パッケージ」を決めた。中小企業の再建では、復旧費の4分の3を公費で支援する従来のグループ補助金を拡充した「なりわい再建補助金(新グループ補助金)」を創設。豪雨に加え、熊本地震など過去の災害や新型コロナウイルスの影響を受けた“三重苦”の事業者には、5億円を上限に、復旧費を全額補助する特別枠を設けた。

 官邸で開いた対策本部で、安倍晋三首相は「被災自治体の要望にしっかり応える緊急対策とした。今後も顕在化する課題に対応し、被災自治体と一体となって被災地の復旧復興に全力を尽くす」と表明。支援策の早期実施を関係省庁に指示した。

 グループ補助金は、熊本地震でも適用され、複数の事業者による申請が条件だった。新補助金では、その条件をなくし、1事業者だけで申請できるようにした。

 三重苦の特別枠の要件としては、過去の災害の復興途上にあることを示すため、売り上げの減少割合や一定の債務を抱えていることなどを想定している。復旧費が上限の5億円を超える場合は、残る費用の4分の1を負担することになる。

 新補助金は被害規模に応じて地域別に上限額を設定し、県内は1申請当たり最大15億円とした。8月中に申請の受け付けを始める。

 このほか、被災商店街の復旧支援や、観光業の復興に向けて「Go To トラベル」で被災地向けの施策を実施することも盛り込んだ。

 農林水産業では、葉タバコやデコポンといった農作物の浸水被害を重視。農業用ハウスや農業用機械の再建費を支援するほか、果樹の植え替えや代替農地の確保に必要な費用を補助する。八代海などに広がった流木や土砂の除去も後押しする。

 被災者の生活再建では、廃棄物の早期処理や住まいの確保を柱に据えた。被災家屋の公費解体を「半壊」にまで広げる制度や、被災した住宅の応急修理の期間中に仮設住宅を利用できるようにする対応を明記。被災したホテルや旅館の避難所への活用も加えた。

 支援策には本年度予算の予備費のうち約1千億円を充て、31日に支出を閣議決定する。(並松昭光)