長崎県内 梅雨入り以降 大雨で3人犠牲に 13地点で平年の2倍以上の雨量

 長崎県内は先月11日の梅雨入り以降、たびたび大雨に見舞われ3人が死亡した。長崎地方気象台は梅雨入りから今月29日までの降水量(速報値)を発表。雲仙岳で2343.5ミリを観測するなど全20地点のうち19地点で千ミリを超え、13地点で平年の2倍以上の雨量となった。
 他の主な地点は諫早1611ミリ(平年比2.38倍)、厳原1539.5ミリ(同2.48倍)、佐世保1498ミリ(同2.51倍)、平戸1475ミリ(同2.49倍)、大村1365ミリ(同2.48倍)、長崎1299ミリ(同2.39倍)-など。
 日本気象協会によると、県内(無人島を除く)では6~11日に計2回、線状降水帯が発生。今月6日には大雨特別警報が発表され、大村では同日、観測史上最大となる1時間雨量94.5ミリを観測した。梅雨入り以降「記録的短時間大雨情報」は計5回発表された。
 一連の大雨災害による県内の死者は3人。対馬市では11日、行方不明の男性(51)の遺体が港内で見つかった。諫早市では25日、轟峡(とどろききょう)で崖崩れが発生し、母親(40)と小学生の娘(8)が亡くなった。
 雨の影響で2河川の護岸が決壊した大村市。約180棟の床上・床下浸水が確認され、同市によると27日時点で農地や道路などの被害額は計約41億円。避難所では新型コロナウイルス感染症対策が課題に浮かんだ。
 30日まで雨が続いた対馬市では床上・床下浸水計31棟が確認された。

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