【防災情報】即応できる内容に(7月31日)

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 梅雨前線と低気圧の影響による大雨で、山形県で大規模な氾濫が発生し、本県でも土砂崩れなどの被害が出た。今月初めには九州などの豪雨で多くの人が犠牲になった。防災情報は細かく改められてきているが、自然の力は予想を上回る。命を守るために、より分かりやすい情報提供の仕組みが必要だ。

 昨年三月、政府は大雨時の避難に関する指針を改定した。防災気象情報を警戒レベルに応じて五段階に区分し、注意報、警報、特別警報などに対応して避難や命を守る行動を求めている。この中で、切迫度の異なる「避難勧告」と「避難指示」がいずれも警戒レベル4に位置づけられており、違いが分かりにくいとの指摘が出ていた。

 自治体による「避難勧告」はすぐに避難を始める必要がある時に出され、次の「避難指示」は災害発生が迫った時に重ねて避難を促す意味がある。命を守るためには「避難勧告」の段階で安全な場所に逃げることが大切だが、趣旨が伝わらず、逃げ遅れる事例がなくならない。このため内閣府は、避難勧告を廃止して避難指示に一本化する方針とした。これまで避難勧告を出していたタイミングで避難指示を発令し、逃げ遅れを減らす狙いだ。来年の通常国会に法改正案の提出を目指す。

 住民にとっては、緊急度に応じた分かりやすい情報が求められる。避難の方法や時期を考えるには、自分が暮らす地域や周辺の降雨量だけでなく、そのデータが示す意味などのきめ細かな情報が不可欠だ。深刻な事態が近づけば、行動を促すシンプルな呼び掛けが必要になる。迫る危険をきちんと知らせ、効果的な避難につなげる手だてを関係機関には常に考えてほしい。

 また、二〇一五(平成二十七)年の水防法改正に伴い、「数十年から百年に一度」の雨による浸水を想定していたハザードマップの作成基準が「千年に一度」と、より大規模な想定に変わった。ただ、河川や流域の環境は日々変わり、目の前で降る雨が「数十年に一度」なのか、「千年に一度」なのか、今、現在の危険度をイメージするのは難しい。

 全国の河川沿いに監視カメラの設置が進んでいる。本県管理の中小河川では、従来の三十七カ所から百二十四カ所と約三倍に増やす。リアルタイムに画像を提供して、スマートフォンなどから確認してもらう。切迫度のイメージをつかむのに役立つだろう。今ある技術や設備を最大限に生かし、住民同士の防災の絆を強めて、長梅雨や台風を乗り切りたい。(佐藤 克也)