阪神・藤浪は不運の2敗目も「投球内容としては合格点」 川崎憲次郎氏が評価するワケ

阪神・藤浪晋太郎【写真:荒川祐史】

6回まで1失点の力投も7回に“落とし穴”… 北條がミス連発で3失点

■ヤクルト 6-0 阪神(30日・神宮)

阪神は30日、神宮球場でのヤクルト戦に0-6と完封負けした。この日は藤浪晋太郎が今季2度目の先発に臨み、6回まで1失点に抑える好投。だが、7回に味方守備の乱れが重なる不運もあり、3点を失った。結局、7回を8安打10奪三振1四球4失点(自責1)で2敗目。この結果に、ヤクルトOBで沢村賞投手の川崎憲次郎氏は「投球内容としては合格点。今日は勝ちをつけさせてあげたかった」と思いやった。

藤浪は序盤、ストレートが左打者の外角に大きく外れるなど、制球に苦しむ場面もあったが、スライダーやフォークなどの変化球で上手くアウトを重ねていった。2回に1点を失ったが、大量失点の可能性があった場面。ここを最少失点に抑えたことで、3回以降は徐々に調子を上げていった。

「ストレートは良くなかったけれど、変化球で上手くリズムを掴んでいきましたね。スライダーもフォークもキレが良かったので、空振りを多く奪えていた。5回くらいからは、ヤクルト打線を自分のペースにはめていましたよね」

味方打線の援護を待ちながら6回まで1失点で守り抜いた藤浪だが、7回に落とし穴が待っていた。先頭・宮本丈を遊撃・北條史也の失策で出塁させると、1死二塁で再び北條の守備が乱れて西田明央が出塁(記録は安打)。2死一、三塁から坂口智隆の内野安打で1点を失った後、再び走者を一、三塁に置いた場面で北条がフライを落球して2失点。あっという間に4点差に広がってしまった。

「誰にでもミスはあるので責められませんが、さすがに7回は北條選手のエラーが痛かった。藤浪投手にはかわいそうな展開になってしまいました。ただ、今日は自分のペースを掴みながら7回を投げきったことは大きな進歩。昨年までには見られない姿でしたからね」

今季初先発となった23日の広島戦に続き、今回も2年ぶりの白星に手が届かなかった右腕。だが、川崎氏は「前回、今回といい投球はしているので、次回先発する試合で同じようにいい内容の投球ができれば、かつて2桁勝利を飾った頃の自信を取り戻すかもしれませんね」と話す。

その上でも藤浪が避けて通れないのは「右打者の対策」だ。この日、ヤクルトの先発野手は西田を除き、全員が左打者だった。藤浪はここ数年、右打者に対する制球に苦しんでいるため、「右(打者)が多く並ぶ打線ではどうするのか。もし死球を当ててしまった時、そこから崩れずに投げられるのかが気になるところですね」と、今後の課題について話す。

なかなか打線の援護が得られずに我慢の投球が続いているが、ここが踏ん張り時。チームやファンの期待に応え、先発ローテの一角として飛躍するためにも、次回のマウンドが重要な意味をもつことになりそうだ。(佐藤直子 / Naoko Sato)

© 株式会社Creative2