大村でのV長崎練習拠点 事実上断念 ジャパネット「実現困難」

 大村市と通販大手ジャパネットホールディングスが市総合運動公園での整備を計画していたサッカーJ2、V・ファーレン長崎の新練習拠点について、ジャパネット側は30日、双方の条件が折り合わず「総合的に判断した結果、現状での実現は困難だと判断した」と事実上断念する考えを文書で発表した。
 整備計画を巡り同市は今月、ジャパネット側に対し▽サッカー場2面の整備時期が2024年3~8月、最終的な事業完了は32~34年となる見込み▽ジャパネットに使用料・維持管理費の負担を求める-との考えを示していた。
 発表では断念した理由について、競技場面数が理想より少なく、最終的な完成も想定より大きな遅れが見込まれるためなどと説明。高田旭人社長は「大村市クラブハウス構想は実現できなかったが、魅力的で、強く、愛されるアジアナンバーワンのクラブを築いていくという信念は変わりない」とのコメントを出した。高田社長は8月1日に東京で会見も開く予定。
 発表を受け園田裕史市長は「これまで協議してきた計画が白紙となり残念。だが、市民に親しまれる総合運動公園整備を目指すことやV長崎を共に盛り上げていく考えに変わりはない」と話した。

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