原爆で被害を受けた被爆樹木の保存活用に取り組む長崎市は7月31日、樹木医が山王神社(坂本2丁目)の被爆クスノキ2本を診断する様子を報道向けに公開した。
市が2017年度以降、日本樹木医会県支部の協力を得て実施する「被爆樹木パトロール」の一環。本年度は7月20日から8月中旬までの予定で、爆心地から3キロ以内の被爆樹木27本を診断する。診断結果は8月中にもまとめられ、薬剤の投与など今後の被爆樹木の治療に生かすという。
同神社の被爆クスノキは爆心地から約800メートルに位置し、樹齢は推定500~600年。被爆により枝葉が吹き飛び、幹が裂けるなどの被害を負った。31日は同支部の樹木医5人が超音波を発する専用器具を幹に取り付け、内部の状態をモニターで確認。診断結果によると、樹勢(樹木の生育状態)は良好だった。
同神社の舩本勝之助宮司(78)は「樹木医の診断のおかげでクスノキもいきいきしている。1年でも長生きしてもらい、原爆の恐ろしさを伝え続けてほしい」と語った。
山王神社クスノキを診断 原爆の恐ろしさ長年伝え 長崎市被爆樹木パトロール
- Published
- 2020/07/31 23:35 (JST)
- Updated
- 2020/08/01 11:31 (JST)
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