【ここいろ】山口県萩市。Uターン起業、愛されるパン屋さんに。 | yuQuri

パンの焼ける甘い香りと、チクタクと刻む時計の音。萩のパン屋さん「yuQuri(ゆくり)」には優しい時間が流れています。
そんなyuQuriを営むのは、中原昌代(なかはらまさよ)さん。前職は福祉関係。“一生の仕事”と志していた福祉の道を離れ、なぜパン屋さんを開くに至ったのか。今回、その想いに触れさせていただきました。

陶器のお皿に並ぶ可愛らしいyuQuriのパンたち

福祉の道で生きていこうと決めた

中原さんは山口県長門市出身。大学進学で京都に出てからは、インテリアカタログの制作会社に就職。0から何かを形にする面白さに魅了されつつも、遅くまで働き詰めの日々。6年が経ち、やり切った気持ちもあったため、山口県にUターン。萩市役所に臨時職員として就職しました。
そこで配属されたのが、社会福祉課でした。
「何をして生きていこうってずっと考えていて。市の臨時職員として福祉に関わったことがきっかけで福祉の勉強を始めました。勉強をしているうちに、この道で生きていこう、一生の仕事にしようって思えるようになったんです」

その後、NPO法人での障害児療育支援員を経て、萩市の障害者福祉施設に転職。順調にキャリアを重ねているように見えますが、中原さんは葛藤の日々だったといいます。
「職場としての環境はすごくよかったんですが、熱量の違いからもどかしさを感じることも多くて。仕事の傍ら、ケアマネージャーや社会福祉士の資格を取ったりしていました。制作会社に勤めていた頃の名残で、残業をしてでもいいサービスをしたいと思ってしまっていたんです。でも、組織の中ではなかなか自分の納得のいくところまではできないですよね。それがどうしてももどかしくて」

撮影の合間、通りがかりのご近所さんに手を振る中原さん

転機となったパンとの出会い

その後、転機が訪れました。新規事業として菓子製造事業が立ち上がることになったのです。パンを作ったことはなかったものの、0から何かを始めるということに惹かれた中原さんは一から猛勉強。

「『菓子製造と言えば中原さん』と言われるように頑張りました。はじめは、会社の出張として光市のパン教室に月に一回、途中からは自主研修として3年間通い続けました」

<「納得いくとこまで存分にやりたい」中原さんが開いたのは、実食してみて美味しいと感じる素材だけを使った、みんなに愛されるパン屋さん。全文はこちら>

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