高齢者施設クラスター「心拍数上がった」「明日はわが身」 鹿児島県内の介護関係者ら動揺

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玄関に新型コロナウイルスの感染予防の張り紙をし注意を呼び掛ける高齢者施設=31日、鹿児島市(感染者が出た施設ではありません。画像は一部加工してあります)

 「もう誰が感染してもおかしくない」「次は自分たちの施設ではないか」-。鹿児島市の高齢者施設で新たなクラスター(感染者集団)の発生が確認された31日、県内の介護福祉施設の関係者らに動揺が広がった。同市内ではデイサービス事業所でも集団感染が起きており、高齢者関連施設では2例目。家族らも危機感を募らせている。

 南さつま市の特別養護老人ホーム養徳園の渡邊由晃事務長(37)は「高齢者をどう守ればいいのか」と不安を隠せない。職員は85人。万が一、施設内で感染者が発生した場合に備え、出勤可能な職員を決め班分けしている。家族に高齢者がいるか、持病があるかなどを考慮したという。「職員の間で自分が感染してしまったらというストレスがさらに高まるだろう」と明かす。

 同園では、4日に同市で感染者が確認されたため、一時再開していた面会を再び制限した。利用者の家族も複雑な心境だ。

 同市笠沙の公務員塩屋義明さん(69)は、95歳になる母が7年前から入園しており「感染に対する不安感が大きくなった」と打ち明ける。「一度陰性が確認されてから陽性になるケースも多い。自分が感染して、母をはじめ、周りにうつさないか心配」と話す。

 「新たなクラスター発生を聞いたときは心拍数が上がった。明日はわが身」と語るのは霧島市などで介護事業所を展開する法人代表(40)。職員には、人混みに行かないよう指導したり、利用者家族の行動歴を確認したりするなどの対策を徹底している。

 ただ、高齢者の外出制限については「外部との関わりを減らすと心も体も弱る。あんばいが難しい」という。感染予防をしながら、高齢者が衰弱しないようにするにはどうすればいいか。両立の難しさに頭を悩ませている。