梅雨が明けて

 いつからか、「夏休みに入るのは梅雨が明ける頃」と、目安を頭に刻んできた。九州北部の梅雨明けは平年ならば7月19日頃、学校の夏休み入りは7月20日頃で、時期はだいたい重なる▲今年の梅雨明けは平年より11日も遅かった。だから1学期の終業式の日とずいぶん開きがあった-かと言えば、そうでもない。すでに終業式をした市町もあるが、県内あちこちの市や町ではきのう、小中学校の終業式が行われた▲梅雨明けが遅く、夏休み入りも遅くなり、ちょうど同じ頃になったところが多い。来週、終業式という学校もあれば、8月後半を授業日にする学校もある▲8月のカレンダーは、1枚丸ごと夏休みのはずだった。言うまでもなく、コロナ禍で4、5月の間に休校したため、夏休みを短くして授業に充てる。例年とは違うことも多い8月が始まった▲子どもに限らず、本当ならば旅行シーズンであり、帰省で人が動く月でもあるが、県内も含めて全国で感染は止めどない。またも酷暑になるという予測もある。列島全体、こんなにも不安と緊張感に包まれて迎えた真夏は、例があるまい▲豪雨にやられた梅雨が明け、きのうの空はいくらか気取って「蒼穹(そうきゅう)」と呼びたいような、薄い青色をしていた。地上の異変が際立つからか、夏空がやけに澄んで見える。(徹)

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