安くて小っちゃくて、そして速い!高回転NAエンジンをぶん回せ!“90年代テンロクウォーズ:前編”【MOTA写真館】

ホンダシビック/トヨタ カローラレビン/三菱 ミラージュサイボーグ

オシャレで速いホットハッチ!テンロク最強と言われた5代目 ホンダ シビック EG型

1991年にフルモデルチェンジした5代目ホンダ シビック EG型は「スポーツシビック」の名で親しまれ、ストロークに余裕を持たせ、四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用し、その名の通りスポーティーな走りを実現。

最上級モデルに搭載される1.6リッターDOHC VTECエンジンは、最高出力の170馬力を7,800rpmという超高回転で発生。さらに、乗りやすさに重要な最大トルクは、コチラも高回転の7,300rpmで16.0kgmであり、低回転から最大トルクを発生する現代の車とは大きな違いがある。

スペック

■全長×全幅×全高:4,070mm×1,695mm×1,350mm

■エンジン

・直列4気筒 1300cc SOHC D13B型

・直列4気筒 1500cc SOHC D15B型

・直列4気筒 1500cc SOHC VTEC-E D15B型

・直列4気筒 1500cc SOHC VTEC D15B型

・直列4気筒 1600cc DOHC VTEC B16A型

■ボディタイプ:2ドアクーペ/3ドアハッチバック/4ドアセダン(フェリオ)

■駆動方式:前輪駆動

■トランスミッション:4速AT/5速MT

4A-Gの5バルブ化で宿敵シビックに対抗!AE101 6代目 スプリンタートレノ/カローラレビン

1991年にフルモデルチェンジをして6代目となったスプリンタートレノ/カローラレビンは、ボディサイズを拡大し、角のとれ丸みを帯びたスタイルへと変更。型式は、1.6LモデルがAE101となり通称「トイチ」や「ヒャクイチ」と呼ばれていた。

名機でもある4A-GE型は、1気筒あたり5バルブ化(吸気3・排気2)され、最高出力160馬力/7400rpm、最大トルク16.5kgm/5200rpmを発生し、トヨタ初のリッター100馬力超えを果たす。また、サスペンションがストロークするときに発生するキャンバー角変化を抑える「スーパーストラットサスペンション(通称 SSサス)」が初めて採用され、スーパーチャージャーが付いた上級グレードの「GT-Z」に標準装備、「GT APEX」にオプション設定された。

スペック

■サイズ

全長:4,285mm(スプリンタートレノ)、4,275mm(カローラレビン)

全幅:1,695mm

全高:1,305mm

■エンジン

・直列4気筒 1.5L 5A-FE型(94馬力/13.1kgm)

・直列4気筒 1.6L 4A-FE型(115馬力/15.0kgm)

・直列4気筒 1.6L 4A-GE型(160馬力/16.5kgm)

・直列4気筒 1.6L 4A-GEZ型(170馬力/21.0kgm)

■トランスミッション:4速AT/5速MT

■駆動方式:FF

■販売期間:1991年~1995年

1.6リッターNA175馬力のMIVECと世界最小V6エンジン!三菱の技術を詰め込んだ 4代目 ミラージュ

1991年に登場した三菱のコンパクトカー 4代目ミラージュは、先代からスタイリングを大幅に変更。丸みを帯びたスタイリング、ハッチバック・セダン・クーペの豊富なボディバリエーションを揃えた。

翌1992年、世界最小クラスの1.6リッターV6エンジンを搭載した「ミラージュ6(セダン)」がデビュー。さらに、1.6リッター 直列4気筒 DOHCエンジンには、可変バルブタイミングリフト機構である「MIVEC」を採用し、リッター100馬力を超える175馬力もの最高出力を発生。三菱の技術がこれでもかと詰め込まれていた。

スペック

■サイズ

ハッチバック 全長×全幅×全高:3,950mm×1,680mm×1,365mm

セダン 全長×全幅×全高:4,290mm×1,680mm×1,395mm

クーペ 全長×全幅×全高:4,225mm×1,680mm×1,370mm

■エンジン

・1.3L 直列4気筒 4G13型

・1.5L 直列4気筒 MVV 4G15型

・1.5L 直列4気筒 4G91型

・1.6L 直列4気筒 4G92型

・1.6L V型6気筒 6A10型(4ドアセダン)

・1.8L 直列4気筒 ディーゼル 4D65型(4ドアセダン)

■トランスミッション:3速AT/4速AT/5速MT

■駆動方式:FF/4WD

■販売期間:1991年~1995年(ハッチバック・セダン)1993年~1995年(クーペ)

今だから乗りたいテンロクスポーツの復活求む!

バブル期の末期に当たる1990年代前半、まだ開発費も潤沢だった時代。燃費や安全性能が重視される今とは違い、車はいかに高性能であるかが求められていた。そのため各自動車メーカーは、1.6リッターという小排気量エンジンを徹底的に鍛え上げ、1.0リッターあたり100馬力を越えるコンパクトスポーツカーを次々に開発。

通称“テンロク”と呼ばれるこれらのコンパクトカーは、200万円を切る価格で販売され、車好きの若者達に絶大な人気を誇った。

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