EXITと考える、正義感・使命感を盾に一般人の素顔をSNSに晒す“自粛警察”の是非

**兼近大樹、使命感に共感も 「正義って、正義だと思ってしまった時点で、悪になる」と警鐘 **

**りんたろー。「正義という後ろ盾があると加速する気持ちわかるが、あくまで敵はウイルス」 **

ABEMAが、ニュース番組『ABEMA Prime』を平日夜9時より毎日生放送している。

7月30日(木)夜9時からの放送では、外出自粛など感染対策に協力しない人や店舗に対し、抗議と称してSNS上に一般人の素顔が映った動画を無断投稿するなど、己の正義を振りかざす、いわゆる“自粛警察”について、その是非を当事者とともに議論した。

番組には、緊急事態宣言発令中にパチンコ店に通う客たちに向け、抗議の演説を行ったり、その動画をアップするなどして、“パチンコ警察”と呼ばれるYouTuberの令和タケちゃんが出演。冒頭では、“正義感・使命感”が“自粛警察”の原動力になっていると解説し、「正義があれば何をやってもいいの?」「流石にネットに顔を勝手に晒すのはどうなの!?」「自粛しない人よりこいつらの方が問題」などといった批判的な声を紹介。これに対し、番組MCでお笑いコンビ・EXITのりんたろー。は「正義という後ろ盾があるから加速してしまうのは分かるんですけど。ここらへんでやめておこうっていう、ちょうどいい線引きがもっとあるんじゃないかと思う。あくまで、“敵はウイルス”だぞっていう気持ちがあります」と矛先を向けるべきは人ではなくウイルスであるべきだと主張。

一方で、相方の兼近大樹は「物事ってすべてそうなんですけど、結局誰かが損をしながらも何かをやらなくては変わらない。『誰もやらないから、俺がやるんだ』って。僕もずっとそうやって生きてきたんですよ。例えば、それが法律違反の行為だとしても、今回のように顔を無断でネット上に晒すような良くないことだとしても、『俺がやらなくてはいけないんだ』ってガチガチに使命感を持っちゃうって気持ちはすっげえ分かるんすよ」と、一定の理解を示した上で、「でも、何を言っても分からない人も絶対にいる。反対に、何かを言ったら分かってくれる人もいる。素直に受け取れる人、“知らねえよ”って怒る人と“やめてよ”って思う人と様々なんですよ。そういう人全員に向けて攻撃しちゃってるんで、やり方が違うんじゃないかなっていう」と、一方的すぎる言動に苦言を呈した。

また、令和タケちゃんが抗議活動の結果として、「現場となったパチンコ店は、抗議をした翌日に休業しまして。同様に抗議を行なった他の店舗も、2〜3日後くらいに休業しました」と告白。これに対し、兼近は「大げさな言い方なんですけど、正義って、正義だと思ってしまった時点で、悪になるというか。“正義だ”って思った瞬間から、たぶん『すげえ強気でいっていい』って思っちゃう。例えば、パチンコ店の営業を止めてくださったわけじゃないですか。でも、そうすることでパチンコ屋で働いてた人が、『ご飯食べられなくなりました』とか、『実は、妹のために働いてて、養うために働いてたんだけど、明日から仕事なくなっちゃったどうしよう』って人も、現れるじゃないですか。そういう影響とかって考えたりしますか?」と、疑問を投げかけた。令和タケちゃんは「屁理屈になるかもしれないですが、店舗には抗議していないんです。あくまでも、パチンコ店を利用して、『(自粛なんて)関係ないだろ!』みたいな、開き直る人に対しての抗議。なので、本当は、都だったり国の方が、しっかりと休業保障をしないといけないんですよ」と回答。

この答えに、兼近は「一番言うべき相手は、国や都だと思うんですよ。たぶんパチンコ屋に並んでる人たちって弱者だと思うんですよ。パチンコ以外の楽しみがない。だから、一番は根本を変えるべき。令和タケちゃんさんが本気で『俺が正義なんだ』って思うんだったら、根本を変えるために動き出して、そのために影響力を使うって方がいい。あくまでこれは僕が思う正義なんで、それぞれの正義はあると思うんですけど」と、持論を展開。また、アイドルグループSKE48 の元メンバーでフリーアナウンサーの柴田阿弥は、ここまでの議論を受け、「本当は人を叩くのが楽しいとか、何かしらの満足を得ているのに、“大義名分”や“正義”っていう言葉で、コーティングして自己正当化してしまっているだけなのではないかと、私は思ってしまいました」と、率直な意見を述べた。

本放送の様子は、現在も「ABEMAビデオ」で配信中。

■『ABEMA Prime』 放送概要

放送日時 :毎週月~金曜 夜9時~夜11時  ※生放送

放送チャンネル:ABEMA NEWSチャンネル

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