パンデミックの核情勢 影響は? 長大レクナがシナリオづくり

 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)は31日、新型コロナウイルスなど感染症のパンデミック(世界的大流行)が北朝鮮と日本、韓国を含む北東アジアの核情勢に与える影響について、複数のシナリオをつくると発表した。秋に国内外の専門家ら約30人で内容を検討する。12月に報告書をまとめ、来年2月に北東アジアの非核化に向けた提言を公表する。
 米国の非政府組織(NGO)ノーチラス研究所、韓国のNGOアジア太平洋核軍縮・核不拡散リーダーズネットワークと連携する。レクナの鈴木達治郎副センター長は、国際関係や経済システムの現実を踏まえ「先入観を持たず、起こり得るシナリオを想定し、何をすべきか考えたい」と語った。
 「パンデミックと核リスク」をテーマとする専門家約10人の見解・分析資料を参考に、10月末から11月中旬にかけ4日間、オンライン会議を開き、核情勢が悪化する想定も含めて、2030年までに考えられるシナリオを検討する。会議には核軍縮や感染症、環境問題、歴史、自治体、市民社会に関する国内外の専門家や若者ら約30人が参加する。

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