48歳パート主婦「夫の収入が少なくてパート代も生活費に消え、家計管理がツライ」

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、2人の子持ちの48歳パート主婦の女性。夫の収入が少なく、不安定で、パート代も全部生活費に消えてしまい、家計管理がストレスになっているそうです。FPの飯田道子氏がお答えします。

主人の収入が不安定な上ボーナスは寸志。フルパートの私の収入も全て生活費に消え、ストレスが溜まります。年間の大きなお金の入る時がないので、車費用、税金や、保険料の支払いが月々からで臨時出費があると赤字に。寸志は赤字補填で消えます。安いレジャーも行く気になれず、子どもと旅行などずっと行けていません。家計管理が嫌になります。臨時にいるものはカードに逃げて支払いが大きくなり、分割で支払いカード払いが多い。転職も活動していますが、年齢的に厳しい状況です。アドバイスお願いします。

【相談者プロフィール】

女性、48歳、既婚(夫50歳)

職業:パート・アルバイト

子どもの人数:2人(19歳、12歳)

同居家族について:夫と子ども2人

住居の形態:持ち家(戸建て)

毎月の世帯の手取り金額:35万円

(夫23〜26万、相談者パート12万円、長男7万※本人小遣い)

年間の世帯の手取りボーナス額:13万円

毎月の世帯の支出の目安:28〜33万円

【支出の内訳】

住居費:8.1万円

食費:5.5〜7万円

水道光熱費:2万円

教育費:2万円

保険料:3.6万円

通信費:2.1万円

車両費:1.3万円

お小遣い:1.5万円

その他:5万円(カード払い)

【資産状況】

毎月の貯蓄額:0〜2万円

現在の貯蓄総額:100万円(貯蓄保険、子ども貯蓄)

現在の投資総額:30万円(妻会社株)

現在の負債総額:1900万円

ボーナスからの年間貯蓄額:0

住宅ローン:月々8.1万(後20年)金利見直しを銀行に掛け合い、9.5万から下がったばかり。

老後資金:2人の厚生年金位。現在ほぼなし

退職金:現在の職場にないので、主人も転職検討中


飯田: 夫であるご主人の収入は不安定であり、相談者様はフルでパートタイマーとして働いていて家計を助けているとのこと。しかしながら、収入の全ては生活費に消えてしまい、ストレスを抱えている相談者様です。

家計管理にも嫌気がさしてるようで、ピンチのときにはカード払いで切り抜けているようです。転職も視野に入れているようですが、どのようなことを考えて、家計を見直す、ライフプランを立て直すべきなのでしょうか。

無駄のない家計で、素晴らしいやりくりです!

家計のデータを拝見しました。支出の内訳には無駄がなく、4人家族の支出としては、頑張ってやりくりされているのだと思います。本当にお疲れ様です。

また、住宅ローンの金利の見直しをして毎月の返済額を減らすなど、積極的に行動しているのは、大変、立派ですね。

臨時出費の内容に注目してみましょう

やりくりができていても、このままでは将来の備えをすることは難しいと思います。この家庭の最大の問題点は、相談者様が仰っているように、カード払いの返済額です。

イザというときにカード払いを使うのは良いことなのですが、問題は、その中身です。
臨時の出費は、子どもの合宿、会社の飲み会、冠婚葬祭関連の支出などでしょうか?

しっかり者の相談者様のことですから、必要なモノ・コトと判断して支出されていると思いますが、その支出は本当に必要なのかを今一度検証し、代替案がないのかなども考えて、カードを利用。できるだけカード払いに頼らない生活を考えていきましょう。

収入アップが家計を救うカギになる⁈

相談者様の場合、家計を見直してお金を捻出すると言うよりも、いかにして収入をアップさせていくのかが必要なように見受けられます。

現在、転職を考えているようですので、転職がポイントになるかもしれませんね。

視野を広げて転職活動をしてみましょう

収入アップ、退職金のことを考えて転職を考えている相談者様。確かに年齢的に厳しいかもしれませんが、ちょっと目先を変える、視野を変えて、転職活動をしてみては、いかがでしょうか?

今の時代、正社員であっても、退職金はもらえないかもしれないと言われていますし、退職金そのものを廃止している企業さえあります。退職金に固執してしまうと、良い条件の仕事を見逃してしまうこともあるかもしれません。

まずは毎月の収入アップを目標とし、退職金がある、勤務時間の長さ、通勤のしやすさ、仕事の内容など、自分が考える転職のポイントを書き出し、これらの項目から優先順をつけ、優先順位にあった会社を探すなど、再度、就職活動をしてみるのも手です。

正社員でなくても契約社員という方法もありますし、派遣社員として働く方法もあります。派遣社員の場合、同じ会社で継続して働くことはできないのですが、契約社員であれば、同じ会社で継続して働くことは可能です。

また、今まで挑戦したことのない分野から、転職先を探しても良いかもしれません。
この場合には、面接などで、どうして未経験の仕事をするのか? と尋ねられることがあるかもしれませんが、65歳まで働くとなると、まだ17年もあります。この間、十分にキャリアアップすることはできますし、今の経験を他の職種に生かすこともできるかもしれませせん。最初から、あきらめてしまうのは、もったいないですよ。

長男に協力を仰ぐのも手

現在、ご長男の収入は7万円で、全額お小遣いとなっています。ご長男が学生でアルバイト代なのか、社会人として得ている収入なのか、こちらのデータからは分かりませんが、19歳のお小遣いが7万円というのは、ちょっと多すぎる金額です。

可能であれば、お小遣いから少なくとも2~3万円を家計に入れてもらうようにしてください。

もし、家計に入れるのが難しいというのなら、学生であれば、お小遣いを含め、身の回りのことは全て自分のお金で賄ってもらう。社会人の場合、一人暮らしをしていることを考えてもらいましょう。到底、今のような生活はできません。そのことを踏まえたら、実家に生活費として入れることは、当たり前のことと言えます。

ちょっと厳しい話しになってしまいますが、家計の現状を話せば理解してもらえるのではないでしょうか? 一度、家族で話し合う機会を設けてみてください。

お金のことは夫婦で解決したいと考える人たちは多いのですが、夫婦でなく、家族で考えることが必要です。この機会に家族それぞれの思いを話し、家族全員で前向きにピンチを切り抜けていってくださいね。応援しています。

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