水戸・天狗納豆 笹沼五郎商店が創業130年 歴史刻む記念碑 書家の吉澤鐵之さん揮毫

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笹沼五郎商店の創業130年を記念した「天狗納豆創業之地碑」が関係者らの手で除幕された=水戸市三の丸3丁目

「天狗(てんぐ)納豆」で知られる水戸市三の丸の老舗「笹沼五郎商店」(笹沼寛社長)の創業130周年を祝う記念碑の除幕式が1日、関係者らを集めて開かれた。同社の初代、笹沼清左衛門が明治22(1889)年、水戸藩の天狗党にちなんで、天狗納豆の商標で売り出したのが水戸納豆の始まり。碑銘の「天狗納豆創業之地碑」は、日展会員で茨城書道美術振興会理事長を務める同市の書家、吉澤鐵之さんが揮毫(きごう)した。

5代目となる笹沼社長は除幕式で「天狗納豆のブランド名で納豆を作り始め、130年の時を刻んだ。幾多の困難を乗り越えた証しとして記念碑を建立した。歴史ある納豆を全国の皆さんに発信し、品質も含めて喜ばれる納豆を作っていきたい」などと抱負を述べた。来賓の高橋靖市長は「昨年、市も市制施行130周年を迎え、同じ歴史を積み重ねている。納豆は一企業が作るものではなく、地域資源であり公共財。行政が守っていく必要性を感じている」とあいさつした。

同社の創業年は水戸線開通の年で、偕楽園の観梅客を中心に水戸駅の土産物として「わらづと納豆」が人気を呼び、水戸天狗納豆の名が全国に広まった。

記念碑には清左衛門の功績や創業年、創業当時の旧町名の「柵町四丁目」などが刻まれた。碑銘を隷書体(れいしょたい)で揮毫した吉澤さんは「歴史にふさわしい字を書かなくてならないと、1カ月、これでもかと何枚も書き、納得のいく字を納めることができた」と感慨深げに語った。

同社2階の納豆展示館も一新し、同社と市の歩みを重ねた年表や、大豆とちりを選別する唐箕(とうみ)をはじめ、納豆を作る道具類なども展示している。