来年の海外旅行をどう考える? 柔軟になった「航空券予約」の活用法

いよいよ夏休みがやってきます。例年なら、空港が海外旅行客でごった返す時期ですが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で海外旅行の計画を断念した方がほとんどなのではないでしょうか。

緊急事態宣言こそ解除されたものの、東京で7月23日に過去最多となる366人の新規患者が確認されたように、国内では7月後半に新たに新型コロナの感染がわかった人が増えてきています。まだまだ予断を許さない状況が続いているため、海外旅行好きの方はみな「年末年始には」「来年のゴールデンウイークこそ」「いや、来年の夏休みまでは我慢かな…」と気をもんでいることと思います。

いつになれば気軽に海外へ行ける日が戻ってくるのかは、残念ながら予想ができません。ですが、晴れて“解禁”を迎えたのちに少しでもお得に海外旅行に行くための準備はいまからでもすることができます。近い将来、再び海外旅行を楽しむために役立つ情報を前後編に分けて紹介します。

※この記事は新型コロナウイルスの感染拡大が終息した後に海外旅行に行くための情報を紹介することを意図しています。いますぐに海外旅行をすることを推奨するものではありません。情報は7月28日時点の内容です。最新の情報はご自身で必ずご確認ください。


「コロナ特別ルール」をどう使う

新型コロナウイルスの感染拡大により、各国が渡航制限を設けていることを受けて、各航空会社は国際線航空券のキャンセルや日程の変更を行う際に発生する手数料を無料にする特別措置を講じています。JALは9月30日までに発券された航空券であれば、9月30日までなら何度でも、10月1日以降も1回であれば、無料で予約変更を可能にする措置をとっています。

つまり、来年のゴールデンウイークのためにひとまず航空券の予約を入れ、コロナの状況を見極めながら年末年始に前倒ししたり、来年の夏休みに先延ばしにしたりすることができるということです。

平常時であれば、格安で購入できる航空券だとキャンセルや変更が不可能だったり、高額な手数料がかかったりすることがほとんどです。仕事の休みが確定してから予約を入れようとしても、そのころには航空券がどんどん値上がりしていたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

仕事の休みが決まる前に航空券を予約するのはなかなか勇気がいる行動ですが、コロナ特別ルールを活用すれば、第1希望の日程で予約を入れておき、休みが確定した後に日程を変更することもできます。

もう一つの理由「燃油サーチャージ」

「いくら無料で変更できるとはいえ、コロナの状況や仕事の休みもわからないうちから予約をいれるのは早すぎるのでは?」と考える方もいらっしゃると思いますが、いまから予約を入れた方がいい理由がもうひとつあります。燃油サーチャージです。

新型コロナの影響で航空需要が一気に減ったため、航空燃料の市場価格が大幅に下落しています。コロナの裏であまり話題にはなっていませんが、6~9月までに発券した航空券にかかる燃油サーチャージは、JALとANAの国内2社ともに無料です。

国内2社の燃油サーチャージがそろって無料になるのは約3年ぶりなので、これはめったにないチャンスといえます。コロナ終息後、真っ先に行きたい国があるような人ならば、たとえ来年の夏休みのものであっても、いまから予約を入れておくと節約になります。

ただし、予約変更をする場合は予約変更を入れた時点の燃料価格で燃油サーチャージが再計算されます。変更手数料がかからないとはいっても、できるだけ変更せずにすむ日程で予約を入れるのがベターです。

また、渡航制限を解除する基準が国によってバラバラになることが予想されるため、先の予約を入れる際には第三国を経由する便や周遊(例、成田―バンコク、バンコク―シンガポール、シンガポール―成田)、オープンジョー(例、羽田―ロンドン、パリ―羽田)など複数の国にまたがる旅程はなるべく避けて、直行便の単純往復を選ぶことを心がけましょう。

© 株式会社マネーフォワード