野球に別れ 競輪の道へ 先制打の山口 兄、姉に続きプロ目指す

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【決勝、鹿町工―大崎】6回裏大崎1死二塁、内海の二塁打で生還し、喜ぶ二走の山口=県営ビッグNスタジアム

 兄、姉に続く“プロ選手”へ-。走攻守三拍子そろう遊撃手として大崎を引っ張ってきた山口は高校を最後に野球生活に別れを告げ、自転車競技の世界へ飛び込む。この日も貴重な先制2点打を放つなど、野球でも上のレベルでやれる力が十分あるが「やりきった」と満面の笑みを見せた。
 八つ上の兄龍也さんと三つ上の姉伊吹さんは、ともに決勝の相手、鹿町工卒の競輪選手。その姿に憧れ、自らも高校は県外の自転車強豪校に進む意思を固めていた。だが、周囲の熱心な勧めもあって目標を「まずは甲子園」に変更。入学後は清水監督が「異常な努力をする」と評するほど練習に打ち込んだ。
 コロナ禍で目標を失っても、懸命に前を向いて勝ち上がってきた決勝。松浦市の親元を離れて、寮やグラウンドで苦楽を共にした仲間とのラストゲームは「最高だった」。さらに相手チームで同じ背番号「6」の山下は小学時代にバッテリー、中学で二遊間を組んだ幼なじみ。そろってチーム初安打をマークするなど「いい思い出になった」と健闘をたたえ合った。
 今後は日本競輪選手養成所の受験に挑む。スタンドに駆けつけた母律子さんは「まだ、野球を見たい気持ちも強いけど…」と本音を漏らし、伊吹さんは「母校との対戦で複雑だったけど、やっぱり弟。優勝で終われて本当に良かった。今までもきつい練習に耐えてきたんだから、これからもきっと大丈夫」とエールを送った。