コロナ禍で打撃を受けた日本のIT企業、働き方改革などプラスの影響も、JCSSAがDI調査

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日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)は7月31日、「第13回JCSSA景気動向(DI)調査」の結果を発表した。日本を代表するIT業界の会員企業のうち235社を対象として7月に調査を実施。会員各社の景況感や新型コロナウイルス感染症の拡大がどのように影響しているかが明らかになった。

今回のコロナ禍で会員企業が受けた影響

調査では、今回のコロナ禍で会員企業がどんな影響を受けたかを聞いたところ、コロナ禍でなんらかの影響を受けたとする企業が92.1%。うち、「マイナスの影響が多い」としたのが49.4%とほぼ半数だったほか、「プラスとマイナスが半々程度」が40.4%、「プラスの影響が多い」も6.6%に上った。

マイナスの影響については「売り上げが下がっている」が56.0%と最多。次いで「社員間のコミュニケーションが取りにくい」が54.2%と、こちらも半数を超えた。そのほか「業務効率が落ちている」が42.2%だった。一方で「経費が上がっている」や「資金繰りの悪化」はいずれも1割に満たなかった。プラスの影響で最も多かったのが、「働き方改革が進展している」で78.3%。「経費が下がっている」(32.5%)や「新しい分野の売り上げが上がっている」(30.1%)なども多かった。このほか「既存商品の売り上げが上がっている」(16.3%)、「既存サービスの売り上げが上がっている」(13.3%)も1割を超えた。マイナスの影響でも上がっていた業務効率については、10.2%が「業務の効率が上がっている」と回答した。

一方のDIについては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が色濃く表れ、2019年11月実施の前回に比べ、集計した八つのDI値すべてで大幅に後退した。特に景況感関連のDIは、前回調査に比べ極端に大きな落ち込みを示した。一方、賃上げDIや賞与DIや採用関連のDIについては、比較的小幅な落ち込みにとどまった。極端な落ち込みを示した各指標だが、コロナ禍の終息は依然不透明ながら、先行きの期待感をうかがわせる結果になった。

「現状の景況感DI」は-83.2と前回比-97.1ポイント、「半年前との景況感比較DI」は-91.6と同-100.6ポイントといずれも激しいマイナスになった。ただし、「半年後の景況感見通しDI」については-37.4で、同-28.3ポイントで踏みとどまった。「次期設備投資DI」については、2.4と、かろうじてプラスだったものの、前回に比べ-43.4ポイント後退。終息時期が見えないことから慎重な姿勢がみてとれる。「賃上げDI」については、今回最も高いDI値40.3を記録。同-15.3ポイントでとどまった。「賞与DI」も、15.0でプラスを維持。同-29.4ポイントと賃金DIよりもマイナス幅は大きかった。「新卒採用DI」は労務系で唯一マイナス。-7.2で同-31.5ポイントと後退した。「中途採用DI」は11.5と同-34.3ポイントながら、DI値はプラスを維持した。

JCSSAでは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、経済は混迷を極めたものの、経済の回復を待たずに期待感で株価が上昇している点に着目。株高の原動力の一つは、テレワークの急激な普及などで、いわゆるニューノーマル社会を形作るIT関連企業活躍への期待と指摘している。

調査は2020年7月7日~7月17日、JCSSAの会員企業のうち235社を対象にインターネット上で実施。166社から回答を得た。