ドライブスルーでもETC決済 相模原で全国初試行、感染防止も期待

ドライブスルーの屋根部分にETCアンテナを設置した店舗=相模原市中央区中央2丁目(画像の一部を修整)

 高速道路の自動料金収受システム(ETC)を使ってドライブスルーの商品代金を決済する試みが3日、相模原市内の外食チェーン店で始まった。キャッシュレス化による利便性向上を狙って、ETCを運営する中日本高速道路などが国内で初めて導入した。11月末まで試行運用し、技術面と運用面の課題を探る。

 試行運用はケンタッキーフライドチキン相模原中央店(相模原市中央区中央2丁目)で実施。ドライブスルーエリアに専用のETCアンテナを設置し、従業員が端末を操作して車両に挿入されたETCカードで代金を決済する。

 注文が口頭で済み、アプリの立ち上げなど携帯電話の操作が不要なため接客の効率化が見込める。接触機会が減ることで、新型コロナウイルス感染症の対策にも効果が期待できる。

 中日本高速道路は、2013年6月に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」に基づき、高速道路や駐車場以外でのETCの活用を目指して環境整備に乗り出した。日本ケンタッキー・フライド・チキン、沖電気工業、ソニーペイメントサ-ビス、メイテツコムの4社と連携して専用の機器やシステムを開発。カ-ド情報漏えいなどのセキュリティー対策に万全を期し、今回の試行にこぎ着けた。

 中日本高速道路の尾髙寛信技術事業課長は「キャッシュレス決済の選択肢が増え、感染防止にも役立てばありがたい。ETCの利用率向上にもつながってほしい」と話した。利用には事前のモニター登録が必要で、同社が11月13日まで協力ドライバーを募集している。ホームページ(https://etc-regist.meicom.jp)から登録が可能。

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