高校生求人3割減 コロナで採用影響 長崎労働局

高校生の求人受理状況(6月末時点)

 長崎労働局は2020年度(21年3月)卒業予定の高校生に対する求人受理状況(6月末時点)をまとめた。求人数は2732人分で、過去最多だった19年度と比べると30.9%の大幅減。先行きが見えない新型コロナウイルスの状況を見極めようと、企業が求人票の提出を遅らせたり、採用を見送ったりしている影響とみられるという。
 ハローワークで6月から求人票の受け付けが始まったのを受け、県内分を集計した。6月末時点の求人数は14年度(1212人)以降、19年度まで右肩上がりで推移。労働局などが企業に早期の求人票提出を呼び掛けていることも増加の一因で、19年度は過去最多の3953人だった。20年度の減少幅は過去10年で最も大きかった。
 20年度の求人状況を産業別にみると、外出自粛や休業の直撃を受けた宿泊・飲食業が71.1%の大幅減。サービス業54.5%減、製造業41.5%減などほぼ全業種で19年度を下回った。
 一方、5月末時点で県内就職を希望する高校生は約1500人。労働局は「県内就職を希望する高校生よりも多い求人はある」としながらも「(求人減は)高校生の選択肢が狭まるので、きちんとフォローしていきたい」とした。

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