災害ごみ、復旧の足かせ 熊本豪雨1カ月 外部から不法投棄も

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「くまもと友救の会」を中心とするボランティアの力で重機を使った災害ごみの分別撤去が進む人吉市下新町の“置き場”=2日、人吉市

 豪雨から1カ月。復旧の“足かせ”になっているのが、大量に発生した家具や家電、畳などの災害ごみだ。市町村が設けた仮置き場まで運ぶための人手や車の不足に加え、被災者にはごみの分別が負担に。不法投棄も増えている。

 熊本県人吉市下青井町の天理教球磨川分教会は、流れ着いたごみや近隣住民のごみの一時置き場に駐車場を提供した。ごみの山は高さ3メートル近くに達し、木くずや金属片などがごちゃまぜの状態。教会長代理の田山暁さん(45)は「分別するにも、どこから手をつけたものか…」と頭を抱える。

 人吉市の災害ごみは推計2万トン超。市は中心部から車で約20分の工業用地4・5ヘクタールに仮置き場を設け、被災者の手で搬入してもらっている。7種類に分別して持ち込むのが原則だが、高齢者世帯などにはハードルが高く、市内各所には、仮置き場に運ぶ前のごみを一時的に集める場が自主的にできている。

 ただ、同市温泉町では、地元住民が心のよりどころにしてきた神社の前に突然、町外から持ち込まれたとみられるごみの山が出現するなど、悪質な行為も見られる。

 対照的に、同市下新町の一時置き場では益城町のボランティアが熊本地震の経験を生かしてごみを分別し、3分の2を搬出した。町内会長の家城正信さん(69)は「彼らがいなければ途方に暮れていた」と感謝する。

 市も被災者による運搬を原則としつつも、今後は業界団体などの協力を得て、一時置き場などからの搬出を進めるとしている。

 一方、八代市坂本町では、市が地区ごとに臨時の集積場所を設置。それでも、国道の寸断でトラックが入るには大きく迂回[うかい]する必要があり、難航。回収後もすぐに次のごみが集まる状態で、ほぼ手付かずの地区も残る。

 球磨村も、道路の被災がごみ回収を阻む。村が見積もる未回収分は1500トン程度。3日、東京から同村一勝地に駆け付け、実家の物置を片付けていた豊岡省吾さん(66)は「この地域は若者の人手が足りず、いまだにごみが残っている家も多い。復旧はまだまだこれからだ」と訴えた。(太路秀紀、益田大也、上島諒)