【高校野球】木更津総合のプロ注目右腕・篠木に注目 「エースで主将」に指名した監督の思惑と悔恨

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チームメートに声援を送る木更津総合・篠木健太郎主将(右)【写真:宮脇広久】

この日は登板がなかったが7月の横浜隼人との練習試合で自己最速の150キロを計測

高校野球千葉大会は4日、市原市のゼットエーボールパークなどで行われ、第8地区2回戦で優勝候補の木更津総合が姉崎に10-0で5回コールド勝ちした。プロも注目するエースで主将の篠木(しのぎ)健太郎投手(3年)は登板しなかったが、7月の練習試合で初めて球速150キロを計測したことを告白。千葉ナンバーワン右腕がマウンドで躍動する姿が、ますます楽しみになってきた。

身長176センチ、体重72キロ。決して大柄ではないが、これまでは140キロ中盤の速球とスライダー、フォークを操る完成度の高さで注目されてきた。そして試合後の会見で、7月の横浜隼人との練習試合で自己最速の150キロを計測したことを明かしたのだ。「球速に関する目標は特にない」と言いながらも、ドラフト候補生としての評価をまた上げた格好だ。

この日は同学年の川端が先発して2回無安打無四球、吉田が2回を無安打1四球、熊谷が1回を無安打無四球に抑え、5回までとはいえ3投手による継投でノーヒットノーラン達成。ベンチ内でチームメートに声をかけて回るなど主将らしい振る舞いを見せていた篠木は、「自分は投げなくても、(この日登板機会がなかった吉鶴を含め)切磋琢磨しながら一緒にやってきた3年生投手5人で結果を出せればうれしいです」と笑顔が弾けた。

“主将教育”をコロナに断たれた五島監督の悔恨

主将という役割は中学時代まで経験がなく、「自分がどういう姿を目指すべきなのか悩みました」と振り返る。今年3月に卒業した1学年上の先輩たちにLINEで相談し、「おまえは自分の投球に集中して周りが見えなくなることがある。そこは変えた方がいい」とアドバイスされたこともあったという。

あえて「エースで主将」の重責を負わせたのは、野球人としてもうひと皮むけさせようという五島監督の“親心”でもあったが、指揮官には悔やみきれない思いがある。

五島監督は「背中でチームを引っ張っていくことも大事だが、周りに目を配りながら自分も高めていけるようになってくれないかなと思って(主将に指名した)」と明かし、「そういう教育を3月から6月に練習試合を積む中でやろうと思っていた。こんな状況でなかなか……それがあれば、もっと(チームを)引っ張れるようになっていたのではないか」と肩を落とした。そして「短い期間ではありますが、なんとかやっていければ」とも付け加えた。

この日の木更津総合は、積極的にファーストストライクを打って出て11安打。行けるとみれば初球から走って5盗塁。さらに相手の守備の綻びを突いて、中前や左前の当たりを二塁打にしたり、2者連続バント安打を成功させたり。守っても“ライトゴロ”に仕留めるシーンがあった。相手の姉崎の花田監督が「圧倒的な打撃は言うまでもないが、高いレベルでスキがない」と感嘆した通りで、木更津総合が今大会優勝へ近い位置にいることは間違いない。そんなレベルの高いチームの最前線に篠木がいる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)